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銘柄・相場情報2015年4月20日

☆三精テク 隠れインバウンド関連 「遊戯機械」「舞台機構」など好調

PER 12倍、PBR 0.4倍台

遊園地・テーマパークの売上高が好調。経済産業省の特定サービス産業動態調査結果によると、2014年は前年度比6.2%増の6,061億円と、00年の調査開始後、初めて6,000億円の大台を突破。今年も1月が前年同月比9.4%増、2月は同32.5%増と好調が続いている。円安による訪日観光客の増加や日本人の国内レジャー回帰、国内景気回復がその背景。

こうした中、遊園地・テーマパークの設備投資意欲が高まってきている。遊戯機械を扱う上場企業には、観覧車などを製作するサノヤスHD(7022)、遊戯機械の輸入・据え付けを行う阪和興業(8078)などがあるが、中で遊戯機械の売り上げ構成比が比較的高く、設備投資増加の恩恵をストレートに享受できる三精テクノロジーズ(6357・2部)が戻りを試している。

同社は同じ遊戯機器を大量生産するのではなく、ジェットコースターなどさまざまな遊戯機器を遊園地のニーズに合わせて1つ1つオーダーメードで製作しており、富士急ハイランド、ハウステンボス、サンリオ・ピューロランド、東京ドームシティアトラクションズ、ナガシマスパーランド、ウォルト・ディズニーなど納入実績が豊富。テーマパークなどの設備投資動向を勘案すると、少なくとも今後2-3年は好環境が続く見通し。

また、もう1つの柱である「舞台機構」も公共投資増加を底流に事業環境が良くなりつつある。舞台機構は国立劇場、国立文楽劇場、各地のコンベンションセンター、県民・市民会館などに納入しており、新しい「歌舞伎座」の廻り舞台、渋谷ヒカリエ内のライブ・エンタテイメント施設「東急シアターオーブ」の舞台機構も同社製だ。このほか、昇降機、国技館の屋形昇降装置など特殊機構なども手掛ける。

売上高の7割近くをこれら製品製造が占め、残り3割が舞台機構の改修工事や昇降機の安全対策工事など保守改修という構造。保守改修で一定の利益を確保できる体質であるところへ、設備投資増加局面が到来しており注目される。

隠れたインバウンド(訪日観光客)関連、東京五輪関連といえる同社株の時価はPER 12倍、PBR(株価純資産倍率) 0.4倍台にすぎない。近年は年14円の安定配当で配当利回り2.4%。今年予定されるユニバーサルスタジオジャパンの再上場も刺激材料。(Q)

[本紙4月21日付2面]

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