季節高習性持つ銘柄は
26日は、6月末割り当ての権利落ち日。この日を境に、受け渡しベースで“実質7月相場"となった。暦年での後半相場の幕開けとなる月だ。今年に入って、1-5月の日経平均はすべて月足陽線をキープ。このまま30日に「2万569円(1日終値)」を上回って引ければ、戦後3度目の1-6月陽線ということになるが、逆に、そろそろ反動安も懸念されてくるところ。ここでは7月相場の傾向などについて考えてみたい。表は、過去の「7月の日経平均の月足陽陰線」を各期間(直近5年、10年、20年、戦後)ごとの勝敗で表したもの。実は、6月相場を占った5月26日付本紙に掲載した表の更新バージョンなのだが、6月がいずれも1、2位だったのに対し、7月はすべて10位以下。8、9月も含めて、夏場に成績の悪化している様がうかがわれる。あるいは、例年6月末ごろに集中する株主総会に絡んだ要因が作用しているのかもしれない。ともあれ、季節習性で見る限り、一定の警戒が必要となるところか。
もっとも、懸念一辺倒かというと、そうでもない。大和証券の木野内栄治チーフテクニカルアナリストは25日付レポートで、「過去の7月前半の欧州株式を見ると、週足ベースでかなり大きな陽線を引く確率が高い」と指摘。実際、2009年以降の英FT100指数、ドイツDAX指数の7月前半高は鮮明だ。今年に入ってから、日本株の需給における欧州系外国人の存在感は急速に高まっており、彼らにとっての本国市場の好転は、日本株売買にもプラスのインパクトを与える可能性がある。この欧州株習性について木野内氏に聞いたところ、「欧州投資家は8月の休暇の前に下期の投資方針が決定され、ポジションを確保する傾向がある。こうした傾向は米国にもあるが、かなり長い休暇を取る欧州勢の方がより鮮明だ。調整色を強める昨今の欧州株の動きは、7月21日のボルカールール施行を視野に、上期にポジションを落としてきたため。下期入りとなる7月前半は、今年も買いに動く可能性は十分ある」とのことだった。
ちなみに、7月初めといえば、もう1つの注目要因がGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による前年度の業務概況書発表(昨年は7月4日)。3月末時点での資産配分や運用状況など各種の詳細なデータが開示され、GPIFウオッチャーが色めき立つことになる。日本株に対して、なお数兆円の買い余力が試算されるが、その内容が明らかになれば、市場に一定の安心感(あるいは不安感)をもたらすことになりそう。
電鉄株、ビックカメラなど注目
もっとも、例年の欧州株高効果は、あくまでも7月「前半」。後半については注意が必要となり、ここは選別が問われるところでもある。前出の木野内氏は26日付レポートでも「陸運株の季節性」について指摘していた。1990年から昨年までの25年間平均で、鉄道など陸運株の月別パフォーマンス(TOPIXに対する超過リターン)を見たところ、最も高いのが9月で、次いで8月、3番目が7月。つまり、7月以降、尻上がりにリターンが高まってきたことがうかがわれる。夏場は観光シーズン。28日から7月8日にかけてドイツで世界遺産委員会が開催され、「明治日本の産業革命遺産」の文化遺産登録が取りざたされることも背景。インバウンド需要拡大も追い風。例えば京成(9009)や、大どころでJR東日本(9020)などにも注目か。ちなみに、もう1つ、「7月高習性銘柄」としてはビックカメラ(3048)にも注目。例えば、2010年の7月に5.0%高(同じ月の日経平均は1.6%高)、11年3.5%高(同0.2%高)、12年4.8%高(同3.5%安)、13年15.9%高(同0.1%安)、昨年14.3%高(同3.0%高)となった経緯がある。8月期決算の同社の場合、配当、優待権利取り狙いの動きが背景にあるとみられるが、今年もここまで順調な足取りをたどっている。(A)
| 直近5年間 | 直近10年間 | 直近20年間 | 戦後東証再開来 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1月 | 3勝2敗 | 6位 | 5勝5敗 | 8位 | 10勝10敗 | 8位 | 45勝21敗 | 1位 |
| 2月 | 5勝0敗 | 1位 | 7勝3敗 | 2位 | 13勝7敗 | 2位 | 38勝28敗 | 6位 |
| 3月 | 4勝1敗 | 2位 | 7勝3敗 | 2位 | 13勝7敗 | 2位 | 40勝26敗 | 4位 |
| 4月 | 3勝2敗 | 6位 | 6勝4敗 | 5位 | 12勝8敗 | 5位 | 44勝22敗 | 2位 |
| 5月 | 2勝3敗 | 10位 | 5勝5敗 | 8位 | 11勝9敗 | 7位 | 33勝34敗 | 11位 |
| 6月 | 4勝1敗 | 2位 | 8勝2敗 | 1位 | 15勝5敗 | 1位 | 44勝22敗 | 2位 |
| 7月 | 2勝3敗 | 10位 | 4勝6敗 | 11位 | 9勝11敗 | 10位 | 33勝33敗 | 10位 |
| 8月 | 1勝4敗 | 12位 | 4勝6敗 | 11位 | 7勝13敗 | 11位 | 35勝30敗 | 9位 |
| 9月 | 4勝1敗 | 2位 | 6勝4敗 | 5位 | 7勝13敗 | 11位 | 29勝37敗 | 12位 |
| 10月 | 3勝2敗 | 6位 | 6勝4敗 | 5位 | 10勝10敗 | 8位 | 36勝30敗 | 7位 |
| 11月 | 4勝1敗 | 2位 | 5勝5敗 | 8位 | 13勝7敗 | 2位 | 36勝30敗 | 7位 |
| 12月 | 3勝2敗 | 6位 | 7勝3敗 | 2位 | 12勝8敗 | 5位 | 40勝26敗 | 4位 |
| ☆直近20年間の「7月相場」 | ||||||||
| ○●○○○●●●○●○●●●○○●●●○… | ||||||||
[本紙6月24日付1面]
