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トップ記事2015年7月24日

☆取材の現場から 新国立競技場が秘めた発信力[前編]

「超臨場体験映像システム」 NTTとパナソニックの技術

【多視点映像】透明スクリーン等の大型ディスプレイ技術により、競技場のどこからでも映像を楽しめるようになります。
(内閣府資料より日本証券新聞社作成)
新国立競技場の建設計画が、すったもんだの末、白紙撤回となった。半年以内に策定される新計画では、リーズナブルなデザインが採用されるのだろう。良しあしはともかく、旧計画のようなインパクトある競技場ではなく、地味なオリンピックメーン会場になるのは、それはそれで寂しいかもしれない――。しかし、必ずしも地味になるとは限らない。そこに相場と絡む材料が隠れていそうだ。

新国立競技場について政府は、東京五輪を日本の技術力を世界に知らしめる“見本市”にする意向を示しており、既に具体的な新技術の開発が進められている。このことは、4月に本欄でも紹介した。その新技術の中に「超臨場体験映像システム」というのがある。この技術があれば、キールアーチを超えるインパクトを来場者に与えることが可能になるのだ。

例えば、競技場のグラウンドが突然、雲の上のようになる。その雲の中から出場者が次々と現れるといった演出が可能となる。また、競技場の真上に、森喜朗・東京五輪組織委員長の巨大な立体映像が現れ、来場者にあいさつを行うということもできる。

「立体映像というとホログラムを思い出す人が多いと思うが、ホログラム技術は2020年の実用化は間に合わない。しかし、東京五輪に間に合う超臨場映像技術が4つあります」(総務省)。

その4つとは、「多視点映像技術」「次世代プロジェクションマッピング技術」「インタラクティブシートディスプレイ技術」「プリンテッドエレクトロニクス技術」。この4技術について政府は既に、組織委員会の運営第三部にアプローチしているという。実際の活用は、「総合演出」責任者が決めるのだが、どんなことができるのか、事前に情報をトスしているという。

4技術のうち、開会式や閉会式の演出に大胆に使えるのが、多視点映像技術を駆使した立体映像だろう。この技術開発でリードしているのは、NHKやNTT(9432)グループだと言われる。そのNTTが6月17日、パナソニック(6752)との提携を発表。東京五輪に向けて、NTTの情報通信技術と、パナソニックの映像技術を組み合わせた新サービスを開発する。「スタジアムにおいて、観客の好みの映像を楽しむことができるサービスや、臨場感あふれる映像を日本のみならず世界に届ける」という。パナソニックは1988年以来、五輪のトップスポンサーを務めており、NTTも東京五輪のゴールドパートナーになっている。

第1回:「超臨場体験映像システム」NTTとパナソニックの技術
第2回:「次世代プロジェクションマッピング技術」米トップ企業はウシオ電の子会社
第3回:「インタラクティブシートディスプレイ」東芝、シャープの虎の子技術に





[本紙7月27日付1面]

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