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トップ記事2015年7月31日

☆取材の現場から 新国立競技場が秘めた発信力 第2回 「次世代プロジェクションマッピング技術」

米トップ企業はウシオ電の子会社

立体映像】テーブルトップに360°から見ることができる立体映像を実現することで、テーブルを囲んで皆で楽しめるようになります。
床面プロジェクション立体映像】床面に立体映像を映写できるプロジェクターとスクリーンにより、競技場外でサッカーや水泳競技をよりリアルに観戦することができるようになります。
(内閣府資料より日本証券新聞社作成)
仕切り直しとなった新国立競技場。そこで行われる予定の東京五輪の開会式や閉会式で、「超臨場体験映像システム」が活躍する見通しだ。超臨場映像技術のうち、「多視点映像技術」については前回触れた。今回は「次世代プロジェクションマッピング技術」について紹介する。

プロジェクションマッピング(PM)とは、建物など立体面に映像を投影する技術のこと。数年前、東京・丸の内で東京駅に映像を投影するPMイベントを行ったところ、大勢の人が集まり過ぎて、途中で中止になる騒ぎもあった。東京ディズニーランド(オリエンタルランド、4661)でも、シンデレラ城を使ったPMイベントが行われている。

この技術を使えば、新国立競技場にさまざまな映像を投影でき、3Dの立体映像を映し出すこともできる。そのほか、静止画を動画のように動かすことも可能だ。まだ開発途中の技術であり、さまざまな用途に使えるとみられている。

政府が推進しているのは「次世代」PMだが、どの辺が次世代かというと、「これまでは、建物など動かないものにしか投影できなかったが、動いているモノにも投影できるようにしたい」(総務省関係者)という。そうなれば、走る自動車に投影することも可能になる。

このPM技術は、競技場の外でも活躍が期待できる。例えば、パブリックビューイング。PMの技術が高まれば、オフィス街のビルがパブリックビューイングのスクリーンになるし、大型トレーラーの壁面を使うこともできる。

そもそもパブリックビューイングの需要は急速に伸びている。日本映画製作者連盟によれば、映画館でのパブリックビューイング収入は2012年に20億5,000万円だったのが、13年には33億1,200万円、14年には42億5,500万円に急拡大している。PM技術はオリンピックのみならず、今後の興行ビジネスを変えるかもしれない。

このPM技術ではNHKがリードしており、屋外での大規模3Dイベントなども行っているという。そのプロジェクターは、米国のクリスティ・デジタル・システムズ(CDS)、ベルギーのバルコ、そしてパナソニック(6752)の3社が寡占に近い状態になっているようだ。トップのCDSはアメリカの会社だが、実はウシオ電機(6925)の子会社だ。1992年にウシオが買収し、ウシオアメリカの100%子会社となった。

次回は3つ目の超臨場映像技術のインタラクティブシートディスプレイを取り上げる。なお、7月27日付の掲載では、当初2回の記事の予定だったが、話題性があるため、合計4回の連載に変更する。

第1回:「超臨場体験映像システム」NTTとパナソニックの技術
第2回:「次世代プロジェクションマッピング技術」米トップ企業はウシオ電の子会社
第3回:「インタラクティブシートディスプレイ」東芝、シャープの虎の子技術に


[本紙8月3日付1面]

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