冬本番、乾燥の季節がやってきました。この時期になると、入浴剤とボディソープを保湿成分の高い物に替え、お風呂上がりと出かける前にはボディクリームを一心不乱に塗り込みます。それでもひとたび冬の乾燥した空気にさらされようものなら、お肌は驚くほどカサカサに…。

そんな中、帝人(3401)が“着られる”化粧品「ラフィナン」を2016年春夏物から展開すると発表しました。健康な肌に近い弱酸性の化粧品成分が配合された「ラフィナン」は、肌着やインナーシャツでありながらも、日本で初めて化粧品のジャンルで販売することが可能に。

身にまとうことで肌荒れを防ぎ、皮膚に潤いを与え、運動や入浴後の肌が乾燥しやすい時に着ると、保湿クリームや乳液を塗る必要がなくなるほどの保湿力があるとのこと。しかも、複数回洗濯しても効果は変わらないそうです。

これを受けて、スポーツブランドのデサント(8114)は来年3月に「ラフィナン」を使ったヨガ向けのTシャツやパンツなど7品を発売すると発表。着るだけで保湿をしてくれるとなると、年輩の方はもちろん、赤ちゃんや敏感肌の人など老若男女問わずさまざまな場面でニーズが高まりそうです。かくいう私は、踵(かかと)や脛(すね)の乾燥が気になるので、ストッキングやレギンスなどが出るとうれしいな、と思っています。

帝人は「ラフィナン」について、アパレルメーカーなどさまざまな販路に展開することで16年度に10億円、18年度に30億円、20年度には60億円の売り上げを目指すと発表しています。「ラフィナン」が今後の新しい保湿のかたちとなるのか、期待しながら商品展開に注目しています。

【編集記者Yのコメント】
素材メーカーである帝人は資源安との追い風に乗って、今期は4割との大幅増益を計画。先ごろ配当予想の引き上げ(中間配当を3円から4円に変更)を発表済みと、業績面での懸念は見当たりません。株価は9月安値(345円)から、6月に付けた年初来高値(499円)に向かって回復中。全体売り上げに対するインパクトは小さいものの、話題性があるだけに今後の動向が注目されます。


[本紙12月7日付14面]