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インタビュー2015年5月29日

☆ワイヤレス・コネクティビティ関連ソフトで成長 sMedio 田中俊輔・代表取締役社長に聞く

年率40-50%増益目指す

sMedio(3913・東マ)は「ワイヤレス・コネクティビティ」関連ソフトウエアなどを手掛ける。同社の田中俊輔社長に成長戦略などを聞いた。

――事業内容をお聞かせください。

「世界市場で通用するソフトウエア専門企業を目指し2007年に創業。グローバルスタンダードに準拠した“開発はアジア、市場は世界"のコンセプトでアジアを代表するソフトウエア企業を目指している」

「近年、伸びているのが『ワイヤレス・コネクティビティ』関連ソフトウエアだ。スマートフォン(スマホ)、タブレット端末、パソコン、テレビなど、さまざまな機器を無線で接続してデータを伝送するソフトウエアで、例えば、『スマホの画面をテレビに映し、スマホをゲームコントローラーの代わりにしてテレビ画面でスマホゲームを楽しむ』『リビングに置いたテレビやブルーレイレコーダーに録画した番組や放送中の番組を、ベッドルームに持ちこんだタブレット端末で見る』『パソコンに保存している契約書やカタログなどコンテンツを、外出先のスマホやタブレット端末にダウンロードする』といったことを実現するもの。当社製ソフトウエアは東芝、富士通のパソコンやタブレット端末、シャープのブルーレイレコーダー、マイクロソフトのハードウエア機器などに搭載されており、搭載端末の出荷台数に応じてライセンス料を得ている」

――強み。

「ワイヤレス・コネクティビティ関連ソフトを開発・製品化するための要素技術(メディア処理技術、著作権保護および認証技術、無線通信技術)をすべて習得済みであることが強み。また、OSひとつ取っても、ウィンドウズ、リナックス、アンドロイド、iOSなどいろいろあるが、異なるOSが搭載された端末同士でもデータをスムーズに伝送する技術力も強み。こうした技術力を背景に、近くにある端末同士をつなぐ近接接続から、遠くにある端末をつなぐ遠隔接続まで、接続距離に応じてさまざまなソフトウエアをそろえている」

IoT端末・ウェアラブル端末向けも展開へ

――成長戦略。

「電子部品や半導体などの市場調査を行うiSuppliによると、ワイヤレス・コネクティビティ機能搭載端末(携帯電話を除く)の販売台数は、14年の100万台超に対し、15年は200万台弱、16年は300万台、17年に400万台超、18年には500万台超と急成長が見込まれている。こうした中、現在注力しているパソコン、タブレット端末、スマホ向けに加え、今後はIoT端末向けやウェアラブル端末向けも展開していく」

「ワイヤレス・コネクティビティ関連ソフトウエアのダウンロード型販売や月額課金型販売にも今期後半から積極的に取り組む。ワイヤレス・コネクティビティ製品が搭載されていない端末を使っている人も、ダウンロードすることで機能を追加できる。また、レノボ、ファーウェイなどの成長性も無視できず、今後は中国などアジアの端末メーカーにも搭載を働きかける。当社は上海、台北に開発拠点があり、営業においても有利に働こう。今後も年率20-30%程度の増収、年率40-50%程度の利益成長を目指し、事業を進めていく」 

――今15年12月期の業績見通し。

「今12月期は売上高12億2,800万円(前期比25%増)、営業利益3億1,600万円(同59%増)、経常利益3億100万円(同1%減)を見込む。経常利益は微減予想だが、これは前期経常利益が円安に伴う為替差益発生で押し上げられたため」

――足元業績の動向。

「順調だ。第1四半期(1-3月)は売上高3億3,900万円(前年同期比22%増)、営業利益1億600万円(同22%増)、経常利益9,900万円(同8%増)となり、想定を上回る滑り出し。通期計画に対する進捗(しんちょく)率は売上高で28%、営業利益では34%となっている。製品別では『TrueLink+』『TV Suite』などが想定よりも販売好調で、第1四半期の売上高は計画を20%上回った」(Q)

[本紙6月1日付1面]

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