この時期、飲料棚には春を思わせる桃色のパッケージの新商品がずらりと並びます。そんな中でひときわ異彩を放っていたのが伊藤園(2593)の「紫蘇(しそ)スパークリング」。かわいらしいピンク色のパッケージの中心に大きな文字で「紫蘇」と書かれています。

古くから薬効があるとされ、近年では花粉症などのアレルギー症状の軽減、疲労回復、貧血の改善などの効果が期待されるとして、お茶やあめなど紫蘇風味の商品がいろいろと発売されています。が、今回は炭酸飲料。味が全く想像出来ずに凝視していると、友人が「毎年、夏バテ防止に紫蘇ジュースを作っているけどおいしいよ。今年は手作りの代わりにこれにしようと思っている」と教えてくれました。

それではと早速買って飲んでみると、きりっとした炭酸水に香り高い紫蘇の風味と、りんごの自然な甘みが足された爽やかですっきりとしたお味。暖かくなるこれからの季節にゴクゴク飲みたくなるドリンクだなと、すっかり気に入ってしまいました。265ミリリットルとの飲みきりサイズはカバンに入れて持ち運びやすく、これも女性にはうれしいポイント。特定保健用食品や機能性表示食品を数多く開発している伊藤園の商品ということで、原料にこだわった紫蘇本来の効能にも期待が高まります。

「おいしく飲んで健康になりたい」など多様化する消費者のニーズに、今後も独自技術で応えていけるのか。伊藤園ならではの「おいしい」健康価値の提案、商品開発の動向に注目しています。

【編集記者Yのコメント】
全体相場が乱高下する中、伊藤園の株価は高値圏を維持しています。外部環境の影響を受けづらい内需系であることに加えて、3月1日に予定する第3四半期決算発表を先取りした買いなどを集めているようです。ちなみに同社は今年8月に創業50周年を迎えるため、記念配当実施などサプライズも期待されます。


[本紙2月29日付16面]