原稿を一生懸命書いていると、途中で必ず甘いものが食べたくなります。でも外に出るのはおっくう――。そんな時に思いを馳せるのが、以前、取材先の企業で見た「オフィスグリコ」です。

お菓子やアイス、飲料などをオフィスに配置する“置き型”サービスで、私が訪問した企業では、休憩室に置かれたB5サイズの3段ボックスにお菓子が、小ぶりの冷凍冷蔵庫にはドリンクとアイスが入っていました。

商品を取り出し、代金(すべて1個100円)を備え付けの貯金箱に投入するシステム。チョコレートにスナック菓子、ガム、野菜ジュースに栄養ドリンクなど、かなり充実した品ぞろえ。週に一度商品が入れ替わるので飽きが来ず、希望商品も反映されるとあって、入れ替えの日を心待ちにしている従業員もいるそうです。仕事が煮詰まったときの息抜きや残業に向けた腹ごしらえなど、いつでも手軽に利用できると好評でした。

最近では、ファミリーマート(8028)の商品を置く「オフィスファミマ」や、1品100円から購入できるお惣菜など食事を常備する「オフィスおかん」、旬の野菜や果物を並べた「OFFICE　DE　YASAI(オフィスで野菜)」など、置き型サービスはその内容を多様化させています。

そんな中、江崎グリコ(2206)は22日「オフィスグリコ事業」と、百貨店などで高付加価値商品を販売する「直営店舗事業」の2事業を6月1日付で分社化し、新会社グリコチャネルクリエイトを立ち上げると発表しました。2事業の売上高は62億7,600万円(2015年3月期)と全体の4%を占めるまでに成長しましたが、今後も先駆者として進化を見せる置き型サービス市場をけん引していくことが出来るのか、注目しています。

【編集記者Yのコメント】
同社はインバウンド(訪日観光客)関連として注目を集め、近年は高値更新基調が続きました。昨年8月に上場来高値7,300円を付けて以降は方向感に乏しい展開が続きますが、業績は堅調です。今後の注目は海外事業。今年1月からは常夏のタイで、4月からはインドネシアでもアイスクリーム販売が開始される予定です。5月中旬に発表される17年3月期の業績予想への期待が高まります。


[本紙3月28日付14面]