キンキンに冷えたビールがおいしい季節がやってきました。この夏よく耳にするワードが「クラフトビール」。日本での明確な定義はまだないそうですが、基本的には、小規模な醸造所でビール職人によって作られる高品質なビールとされています。私の周りでは「味も香りもとにかく種類が豊富で、お気に入りの1本を探すのが楽しい」と、普段あまりビールを飲まない女友達を中心に人気急上昇。今週末には専門店での飲み比べが決定しています。

現在、業界をけん引しているのが、コンビニでも見かける「よなよなエール」やローソンとコラボレーションした「僕ビール、君ビール。よりみち」などの人気商品を販売しているヤッホーブルーイング(長野県佐久市)。このヤッホーブルーイングと2014年に業務・資本提携を結び、クラフトビール業界に本格参入したのがキリンビール(2503)です。

15年にはその場で作られたクラフトビールが楽しめるダイニング「スプリングバレーブルワリー東京」を東京都内にオープン。16年の事業方針には「『一番搾り』『クラフトビール』を中心に、顧客の多様なニーズに応えていく」と掲げるほどクラフトビールに注力しています。

米国ではビール市場におけるクラフトビールの割合は約20%を占め、さらなる成長が見込まれているのに対し、すべての大手メーカーが参入したにもかかわらず1%未満にとどまるといわれる日本。キリンビールがクラフトビールを国内に根付かし、ビール市場を活性化できるのかに注目しています。

【編集記者Yのコメント】
キリンビールの今12月期は最終利益で黒字転換を予想。低収益だった国内飲料事業とブラジル事業の回復が確認されて、株価は春先から買われましたが、5月末に付けた1,873円をピークに調整が続きます。ただ、梅雨明けしたばかりの関東では一気に猛暑へ突入。8月4日に1―6月期決算の発表を控えることもあり、注目しておきたい銘柄です。


[本紙8月1日付14面]