久しぶりに「これはすごい!」と思わずうなってしまうサービスに出会いました。宅配ピザチェーン「ドミノ・ピザ」が展開する、その名も「年末クーポン大そうじ祭」です。

12月22日まで、ドミノ・ピザ“以外”の使用期限切れを含むあらゆるクーポンが「ピザ全品28%OFF」として利用できるというもの。今までになかった画期的なサービスとして、早速インターネットを中心に話題となっています。

クリスマスパーティーや忘年会など、宅配ピザを注文する機会が増えるこの季節。お得なのはもちろんですが、その名の通り、お財布にたまったクーポンを大そうじすることができ、何よりSNS(交流サイト)で「他社のクーポンが使えた!」と拡散したくて、私も虎視眈々(たんたん)とピザを注文する機会をうかがっています。

会社側からすると、クーポンを作成・配布する費用や時間の削減となり、話題となることで広告費の削減も期待できます。さらには新規顧客の獲得、あるいは、他社のクーポンがどのような内容で、どのような顧客に配布されているかなどの情報も獲得しながら、競合他社への注文機会を損失させるなど、まさに一石二鳥ならぬ“一石多鳥”。これらを莫大(ばくだい)な費用を掛けずに実現するあたり、非常に素晴らしいと感じました。

これまでも、持ち帰り限定で1枚買うともう1枚が無料になるなど、顧客に喜ばれるさまざまなサービスを提供してきたドミノ・ピザ。今回の秀逸なクーポンを上回るアイデアが今後も登場するのか、また競合他社はどう対抗していくのか、注目しています。

【編集記者Yのコメント】
ドミノ・ピザはNY証券取引所の上場銘柄(DPZ)で、残念ながら国内非上場。「もう1枚無料」など画期的なサービスに追随する大手同業が今のところ現れていない点も非常に残念です。同業「ピザハット」を運営する日本KFCホールディングス(9873)や、宅配すし「銀のさら」のライドオン・エクスプレス(6082)、はたまた、出前サイト運営会社の夢の街創造委員会(2484・JQ)あたりが追随して宅配業界を盛り上げてくれることを期待しましょう。


[本紙12月12日付14面]