博多ラーメン「一風堂」を展開する力の源ホールディングス(3561)が21日、マザーズに上場しました。初日は買い注文が殺到して値が付かず、翌22日公開価格の3.7倍となる2,230円で初値が付いたとの報道に、福岡出身の私は思わずにやり。上京したてのころは、ホームシックになるたびに、女性一人でも入りやすい一風堂恵比寿店の豚骨ラーメン「白丸元味」のお世話になったものです。

ニューヨークに行った2008年は、ちょうど「IPPUDO」がオープンしたばかりのころで、並ぶことを嫌うとされるニューヨーカーが店の外まで並んでいてビックリ。あまりの行列に泣く泣くその時は諦めましたが、後日、再挑戦した友人から「内装がとてもお洒落でバーカウンターがあった」「味はマイルドな豚骨でおいしかった」「総額約30ドルと価格も含めレストランという感じだった」「一緒に行った外国人の友人が大喜びしていた」との感想をもらいました。

このニューヨーク進出を皮切りに、一風堂はシンガポール、香港、中国、フランス、イギリスなどにも拡大して、現在は海外12カ国で63店舗を展開。今春にはミャンマーへ初進出予定など、福岡の豚骨ラーメンがその姿を現地に合わせ、変化しながら、世界中へ羽ばたいていく様子に心躍らせています。

1985年福岡市内に1号店がオープンしてから32年。国内外への積極的な出店が成長の原動力となってきた一風堂は、今回の上場による資金調達力を生かし、目標として掲げる「2025年に国内300店舗、海外300店舗」という構想を実現することはできるのか。応援の気持ちを秘めながら注目しています。

【編集記者Yのコメント】
力の源ホールディングスはIPO(新規上場)翌日も買いが集中。ストップ高水準となる前日終値比500円高の3,130円で取引を終了しています。同社以外にも3月はIPOが集中していますが、そろって好調な滑り出し。背景には、円高のため主力株が手掛けづらいという投資家心理があるようです。ただし、力の源ホールディングスはPERが100倍を優に超えており、過熱感もあります。IPOラッシュが落ち着く4月以降も株価を維持できるかどうかが当面のポイントとなりそうです。


[本紙3月27日付14面]