ブライダル企業のテイクアンドギヴ・ニーズ(T&Gニーズ、4331)が新規事業として「トランク ホテル」を開業したと聞き、早速遊びに行ってきました。渋谷の大通りから1本入った閑静な土地に突如としてデザイン性の高い、地下1階・地上4階建てのホテル棟とブライダル棟が現れ、のぞくと木々に囲まれた気持ちの良さそうなテラスでお茶をしている人たちが。思わずふらふらと引き込まれてしまいました。

1階にあるバーを併設したロビーラウンジは明るく開放的で、電源などの設備も整っており、私が訪れた平日のお昼間には、ノートパソコンに向かい仕事をしている人を多く見かけました。テラスに出ると、広がる青空と新緑、そして鳥のさえずりに、すっかり渋谷にいることを忘れてリラックス。

宿泊部屋はシングルルームからスイートルームまで全15室。ベッドやインテリアに間伐材や古材が使用されていたり、ハンガーやサニタリーボックスには工場で使われなくなった鉄をリサイクルした素材が使われたりと、おしゃれで快適なデザインというだけでなく、室内の隅々からこだわりとメッセージを感じる内装。中でも、いつも捨てる際に罪悪感と闘っていた室内スリッパが、お洒落なビーチサンダルだったことには驚き、これはほかのホテルも取り入れてほしいなと思いました。外国人宿泊客も多く、今後オリンピックに向け、国内外問わずますます人気を集めそうなトランクホテル。かくいう私も近々別のタイプの部屋への宿泊や、レストラン、バー利用なんかもしたいなと目論んでいます。

ウエディングドレスの内製化や、台湾に海外直営会場1号店をオープンさせるなど、経営強化に取り組んできたT&Gニーズ。今回オープンしたホテルは、2018年3月期の業績目標として掲げられた売上高650億円(前期比8%増)、営業利益26億円(同6%増)にどれだけ寄与していくのか注目しています。

【編集記者Yのコメント】
営業利益は前期の57%増から今期は6%に縮小するものの、これは大型ホテル開業を含んでの数字。主力のウエディング事業は、受注件数が全店ベースで4.8%増(前期実績)と堅調ぶりが確認されてもいます。ちなみに会社側は今年10月に保育事業へ参入することを表明済み。新規事業に積極的な同社の展開、引き続きチェックしておくのも面白そうです。


[本紙6月5日付14面]