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コラム2019年2月8日

☆竹中三佳の株Catch one’s eye Part.263 「ファミマこども食堂」

最近さまざまな企業で声高らかに叫ばれているCSR(自社の利益を追求するだけでなく、人権の遵守、環境問題への配慮、地域社会との共存・貢献といった企業が果たすべき社会的責任)。環境保全やフェアトレードなど耳にするようにはなったものの、どこか遠くで行われている印象を持っていました。ところが今回自分にとって身近なファミリーマート(ユニー・ファミリーマートHD、8028)で、地域交流および未来を担うこどもたちを応援する取り組みの一環として、「ファミマこども食堂」を開始するとの報道を目にし、とても興味を持ちました。

対象は近隣在住の子供、保護者で1回10名程度、参加料は小学生以下100円、中学生以上400円。店舗のイートインスペースで栄養バランスのとれた弁当などの食事の提供のほか、バックヤード探検やレジ打ちなどの体験イベントが行われるそう。昨年度東京、神奈川、埼玉の5店で「ファミマこども食堂」をトライアル開催し、参加者から寄せられた「皆と仲良く話せて良かった」「学年を超えた交流を楽しめた」などの反響を受け、今年3月より開催地域を全国2,000店舗に拡大すると発表されました。

いまも賛否両論の意見が飛び交う中で、「ファミマこども食堂」はまず株主に受け入れられるのか。また、この取り組みをきっかけに、社会貢献などに感度を高く持つ、新規顧客層は開拓されるのか。更に、取り組みを継続させ、目標に掲げる「地域交流の場」へとファミリーマートを昇華させていけるのか。コンビニエンスストアの今後の可能性を含め注目しています。

【編集記者のコメント】
諸外国に比べてCSRへの関心の遅れが指摘されてきた日本ですが、近年は企業価値向上の重要戦略のひとつとして積極的に取り組む企業が増えてきました。人材活用や環境保全、社会性など評価項目はさまざまですが、東洋経済新報社が毎年発行している「CSR企業ランキング」を見ると、2018年は1位にNTTドコモ(9437)、2位にKDDI(9433)、3位にブリヂストン(5108)が名を連ねています。また、事業活動そのものがCSRとされる企業では、エスプール(2471・JQ)タナベ経営(9644)すららネット(3998・東マ)なども有名。「ファミマこども食堂」をきっかけに、株式市場でもCSR企業を見直す動きが出るか注目です。

竹中三佳さんのプロフィール
タレント、リポーター、モデル。ホリプロアナウンス室所属。明るく誠実でファッショナブルなキャラクターでTVやラジオ、CMなどで活躍。

[本紙2月12日付14面]

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