ノースサンド(446A)が11月21日、東証グロースに新規上場した。初値は公開価格を7.1%上回る1,200円。総合コンサルティング会社。人手不足が課題となる同業界において「人間力」を重視した採用と、未経験者を育成する仕組みにより従業員数を急速に増やし、業績高成長を遂げている。従業員数は2022年1月期の170人に対し、23年1月期が314人、24年1月期は710人、25年1月期は1,170人と3年で7倍弱。26年1月期は第1四半期で1,500人を超えた。今年6月に策定した中期計画によれば、26年1月期~28年1月期の中期3カ年の年平均売り上げ成長率30~35%、最終年度に営業利益率20~25%(25年1月期実績16.9%)およびコンサルタント人数2,000人以上(同940人)を目指す。また、長期目標として売上高600億円、営業利益率30%、コンサルタント3,000人以上を掲げる。
採用に当たっては未経験者をターゲットとすることで多くの応募者を獲得しつつ、独自選考により質の高い人材を厳選して採用。25年1月期では応募者数1万6,445人に対し、入社数434人と選考倍率は38倍に及ぶ。
肝となる“人間力”を「愛嬌」「素直さ」「しつこさ」の3要素で構成されると定義。前田知紘代表取締役社長(写真)は「人間力を測るツールを独自開発している。行動特性をデータベース化したもので、合うかどうかを採用候補者に診断テストを受けていただき、その点数と面接でコミュニケーション能力などを総合的に判断して採用している。なぜそうしているかと言えば、人間力はなかなか変わりにくい能力のため。比較的変わりやすいスキルの部分は研修など社内で育成する仕組みを構築している。これにより未経験者も短期間で即戦力となっている。同業他社はスキルがある人を採用しているが、当社は変わりにくい人間力を見て採用した方が早く人材が伸び、会社としての文化も醸成でき、離職率も低く抑制でき、安定した会社になると考えている。今後も成長を続けていき、投資家にもっと評価してもらえるようになりたい。将来的に株主還元などを通じて長期的に保有していただけるようにしたい」と述べた。
プライム上場基準のうち流動性基準以外については既にクリアしている。「まずはグロース市場で成長を加速させ、いずれはプライム上場を目指す。今年は上場初年度となり、来年を含めて評価をいただいたときに“行ける”となれば進めていくことになろう」とし、プライム上場へ意欲を示した。(Q)

