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銘柄・相場情報2025年6月27日

IPO社長会見 エータイ 永代供養墓のリーディングカンパニー

エータイ(369A)が6月26日、グロース市場に新規上場した。永代供養墓コンサルティングのパイオニア的存在。初値は公開価格を68.6%上回る2,547円。上場当日の記者会見で、樺山玄基代表取締役社長=写真=が語った内容のポイントは次の通り。

お墓と言えばエータイに……当社は寺院コンサルティング。永代供養墓の企画、建立、運営、販売代行について、寺院をフルサポートしている。お寺と墓地の利用者を取り持つ存在。設立は2004年で寺院コンサルティング事業は07年から始め、20年弱の実績がある。創業時から「人と人のこころのつながりをサポートし、社会のこころを豊かにする」を企業理念に掲げてきた。今後も理念とビジョン、ミッションを大切しながら、お墓と言えばエータイと言われる会社にしていきたい。

少子高齢化時代で高収益……永代供養墓は墓地の利用者に後継者がいなくても寺院が永代にわたり供養と管理をしてくれる墓。従来の伝統的な墓は利用者自身による管理、年間管理費の支払いといった費用負担、墓地の承継者を必要とした。永代供養墓はこれらが不要で、少子高齢化や核家族化によりお墓を継承する人が少なくなっているこの時代に即している。利用者のみならず寺院のニーズもしっかり満たしている。永代供養墓建立の費用は全て当社が負担しており、企画、集客、案内、契約といった運営も全てサポートしている。檀家の減少で経済環境が悪化している寺院も、当社の永代供養墓を始めやすく、選びやすく、維持しやすい。24年8月期の開苑寺院は80カ寺。1寺当たりの売上高は2,970万円、展開エリアは関東中心の13都道府県。21.3%と高い営業利益率を誇っており、安定的な高収益体制を確立できている。ROA(総資産利益率)は10%で効率的に収益を稼げている。売上高は23%増で着実な成長を実現している。

4年連続販売数首位……強みは4つ。1つ目は永代供養墓のリーディングカンパニーであること。4年連続販売数首位でトップシェアを維持している。高いデザイン性があり、ユーザーから好評なことが大きな要因。2つ目はワンストップフルサポートとドミナント戦略が高い利益率をもたらすこと。永代供養墓の実務を当社が全額費用負担しているため、募集代行手数料率を高く設定し、成約額の80%を手数料としている。さらに、永代供養墓に特化したビジネスモデルや豊富な経験からコスト効率化を実現している。ドミナント戦略は既存提携寺院の近隣で新たな寺院を獲得する。飛び地での展開に比べ、人件費、広告費を抑制できる。

参入障壁の高さで優位に……3つ目は安定的な在庫供給と利用者確保。永代供養墓2万基が供給余力としてある。また、墓を買い求める層は毎年発生しており、開苑初年度に偏重せず、次年度以降も安定的に契約者を確保できている。4つ目は参入障壁の高さ。寺院はなかなか新しいことに踏み切れず、さらに墓地経営は墓地埋葬法や各市町村の条例が関係する。当社は80カ寺で適法な墓地運営を視点しており、法律や条例の知見、市町村との連携実績は豊富。参入障壁が高いからこそ、既存寺院から新規寺院を紹介してもらえることが重要。当社は寺院と良好な関係を構築しており、新規寺院の紹介や既存寺院での増設につながっている。

市場拡大余地は大きく……成長戦略は3つ。まず寺院開発戦略。紹介案件の能動的な創出により提携を増やしていきたい。既存寺院のほか、石材店や葬儀会社、顧問紹介サービスの活用、従業員の人脈などが紹介チャネルとなる。2つ目はエリア戦略。ドミナント戦略を前提に、主要都市を中心としたエリアへアプローチする。既存寺院の販売実績と市区町村での墓地需要を考慮しながらAIを利用して、年間成約額4,000万円を見込める寺を抽出し、アプローチする。当面は関東圏に注力し、東京、埼玉、千葉、神奈川だけでもターゲット寺院は6,300に上るため、拡大余地は大きい。3つ目に永代供養墓利用者の獲得戦略として、潜在層はマス広告を展開。自社サイトやポスティングといった媒体を効率的にミックスして顕在層の獲得に努める。また、墓地見学に来た人に、終活全体の相談に乗る寄り添い型の営業をしており、見学者の半数が成約に至っている。(HS)

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