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IPO2026年3月3日

【速報版】IPO社長会見 ギークリー “点から面”の採用支援へ

ギークリー(505A・S)が2月27日、東証スタンダードに新規上場した。初値は公開価格を7.5%下回る1,757円。IT・Web・ゲーム業界に特化した人材紹介事業を展開。上場当日の記者会見で奥山貴広代表取締役社長=写真=が語った内容のポイントは次の通り。

IT採用のインフラ

ターゲットとする求職者は年収400万~800万円と言われる中堅層であり、一番のボリュームゾーンを手掛けている。転職を考えている求職者の方をまず集客、その方に対して求人情報を紹介し、企業の方が内定を出したい、そして求職者の方も入社したいという双方の意思確認が取れたら売り上げが発生するという成果報酬型のビジネスモデル。求職者と企業の間にギークリーが入って、キャリアアドバイザー、リクルーティングアドバイザーといったものが双方のやり取りをさせていただく。売り上げは紹介手数料(決定した求職者の想定年収に紹介手数料率を掛けたもの)という形で入ってくるが、近年は企業同士で人材の取り合いになっており、成約単価が上昇傾向にある。

市場の波を的確に捉えて成長を実現

当社はIT業界に特化しているエージェントだが、ITエンジニアだけに特化しているというわけではない。この15年の中でもIT業界においていくつかのブームがあり、それに合わせて当社の方も事業をピボットしながら売り上げをうまく伸ばしてきた。創業期においてはスマートフォンの普及が始まったばかりだったので、この当時(2011年、12年)はソーシャルゲームの求人が非常に引き合いが強い状況だった。そして17、18年にはSaaSと呼ばれるビジネスモデルが出てきて、主にインターネット企業のお客さまを中心にマッチング件数を増やしてきている。20年のコロナをきっかけに今度は一般の事業会社も社内システム部門を強化するという流れになり、足元ではSIer、ITコンサル会社といったところから非常に多くの求人のオーダーをいただいている。

圧倒的人材不足の業界

IT業界は景気変動に強い。当社は設立が11年、直前の09年のリーマンショックの際にも、IT業界はほかの業界に比べると落ち込み幅が浅く、なおかつ回復が一番早かった。また、人材紹介市場においてはこの10年、年率で10%以上市場が伸びている。中でもIT業界における人材市場は非常に需給がひっ迫しており、30年にはIT人材が約80万人不足するといわれている。お客さまからの需要がとても旺盛である、なおかつ市場が伸びている、この2つの要素が当社にとっては非常に追い風だ。

高い認知による集客力

人材紹介事業のポイントは「集客」と「マッチング」の2点に絞られてくる。集客においては、当社は19年からタレントの玉木宏さんを起用して約7年間首都圏を中心にTVCM、交通広告を実施してきた。首都圏においてはIT人材採用=ギークリーという認知がかなり取れている。一方、求職者の方の認知も取れており、自社のプラットフォームでもIT人材をしっかり集客できているという点が一番の強みだ。

業界トップクラスの生産性

もう一つはマッチングにおける強みだが、自社の基幹システム「OLG(オルグ)」に創業以来投資をし続けている。人材紹介ビジネスは一般的に属人性(経験や勘)が高いものだが、当社では求人や求職者情報、そのほかの売上情報に至るまで、全ての情報をオルグで一元管理。システムがオペレーションを統制することによって人による属人性を排除して、誰がやっても一定のマッチングのクオリティが出せるような仕組みを作り上げてきた。これによって経験の浅いキャリアアドバイザーでもベテランと遜色ないマッチングを提供でき、これが労働生産性の高さに寄与している。当社のキャリアアドバイザー1人当たりの生産性は年間売り上げで8,800万円。業界トップクラスの基準であると認識している。

成長戦略

上場後も年収400万~800万円といわれる中堅層のマーケットを開拓し続けたい。非常にTAM(獲得可能性のある最大市場規模)が大きく、まだまだ開拓できる余地がある。一方で、企業からの採用ニーズとしてはハイレイヤーやハイクラス、いわゆるCTO(最高技術責任者)クラスの人材のオーダーが増えてきている。“IT人材のハイレイヤー層に特化した企業”といったものはまだライバルも少ない状態。経営を担うCTO人材から現場の開発を担うエンジニアまで、上から下までつないで、点ではなくて面でお客さまのIT人材採用を支援していける体制をしっかりと築いていきたい。中堅層で培ったマーケティングのノウハウを横展開することで、こうしたハイレイヤーの人材の集客も十分行えると思っている。また、ハイレイヤー層を手掛けている人材会社をM&Aすることも選択肢の一つにある。

AI代替懸念について

AIによってエンジニアが不要になるのではないかという論調が年明けから加速し、ほかのソフトウエアの株価にも影響が出ている状況。AIの普及によってこの後ITエンジニアの市況がどうなっていくか一番気になるところではあるが、私の見立てとしては非常にポジティブに捉えている。ITを駆使することによって企業は今後、よりAI開発や既存のシステム開発にさらにアグレッシブになると思われる。そうなれば今まで以上に高度なシステムエンジニアリングの要件を組める人材が求められるはず。これがわれわれがハイレイヤーを攻めていきたい理由だ。要件が高度化・複雑化してくると企業は自前で人材採用を行うことが難しくなってくるので、私たちのようなエージェントにその役回りが回ってくる。AIによって売り上げが落ちるのではなく、むしろ売り上げアップにつながるきっかけになるのではないかと考えている。(SS)

※速報版は最終的な校了前の紙面記事です。今後、修正等が入る場合があります。

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