セイワHD(523A)が3月27日、東証グロースに上場。初値は1,220円と公開価格(1,250円)を2.4%下回ったが、即座に公開価格を奪回しストップ高(1,520円)で引けた。同社は中小製造業の連続M&A企業。上場当日の記者会見で野見山勇大代表取締役社長=写真=が語った内容は次の通り。
製造業特化型の事業承継プラットフォーマー
後継者難の中小製造企業を連続的にM&Aし、独自の仕組みでバリューアップする「製造業特化型の事業承継プラックフォーマー」。グループ会社単体の成長とグループ間シナジーを最大限発揮しながら、エンドユーザー(自動車、工作機、土木、船舶など)に販売。主要製品では金属製品の売り上げ割合が比較的高い。
事業の経緯
私は父が経営する町工場に二代目として入社。職人さんと一緒に働くうちに彼らは日本を支えている重要な方々と認識し感銘を受けた。自分自身も事業承継を経験し、苦労は相当あったもののなんとかうまく承継できたが、世の中を見渡すと多くの会社が後継者不在に悩まれている。そうした課題を解決きるのではないかと考えてM&Aを開始した。従業員さんやオーナーさんの強い想いが詰まったものを次世代に残していくチャレンジができることが強みであり、果たすべき責務と考えている。
ファンドや金融出身ロールアップ企業と異なる強み
投資対象はファンドや大手製造業がなかなか手を出せないようなニッチな製造業。ファンドはどうしてもエグジットまでの期間が見えるが、当社は長期を見据えて投資できる。加えて独自のプラットフォームによるシナジーと、中小製造業M&Aの豊富な実績・経験があることは非常に強みになっている。他のロールアップ企業との比較では、われわれはバックグランドとして自身が事業承継を経験し、製造業中心のメンバーでチームアップしている点が特徴。また、バリューアップに非常にこだわっており、グループ入りした会社に必要な支援を必要なだけでき、補完的なM&Aをすることができる。
後継人材
独自の人材最適化システムがあり、新たな企業がグループに入った瞬間に社長ができる人材も4人いる。このように新たに多数の企業がグループに入ってもいいように常にプールを保持する形を考えている。また、オーナーとそれを支えるキーマンがどのような属性でどのような人を後継に据えれば良いのかを大事にしている。これにより中小企業のM&Aで、非常に大きな変数を減らせると考えている。撤退は原則しないが、急激な環境変化などに対応できるように撤退基準は持っている。撤退企業は過去2社ある。一つはコロナ禍、主要顧客が内製化したためグループ内で合併して事業集約した。もう一つは業績が苦しい中、コロナ禍で顧客企業の設備投資が変化し、より発展できそうなお相手を探して売却した。
引き合い多数
後継者不足は日本の大きな課題ながら連続的にM&Aを行う企業は数が限られているため、非常に多くの引き合いをいただいている。一方で直近のM&A5件中3件は自社ソーシング。今期からソーシング専任部隊も置いた。非常に多い仲介会社様からの持ち込みに加え、自社ソーシングで新たな種をしっかりまくことで今後も継続的にM&Aできる素地を作っていく。
注力市場拡大の可能性
上場の目的は①連続的なM&Aに向けた経営基盤とブランドの確立②企業成長を支える経営・管理人材の採用育成③高成長を支える財務基盤の強化と資金調達力の向上――の3点。上場に伴う40数億円の資金調達によりバランスシートは相当改善した。投資基準としてはNet Debt/EBITDA倍率3~4倍を設定。M&Aは直近6年間で累計16件(年平均2.7件)を実施してきた。ニッチで競争力のあるものづくり会社は日本に多数あり、継続的にグループ化していきたい。対象領域は既存分野が中心になるが、新たな注力市場を拡大していく可能性はそれなりにある。今後も株主の期待に応えながらしっかり成長していきたい。
高い収益率を実現
また、収益率に非常にこだわっており、高い営業利益の伸びが出せている。一過性の上振れ要因を除いた実力値で営業利益率18%と、製造業の平均を3倍以上アウトパフォーム。27年5月期業績に関してはこれから事業計画を策定するため現段階で明確に答えられないが、オーガニックな成長(既存の各グループ会社の成長)とM&Aによる成長という2軸で、投資家の期待に応えられるような成長率を達成したい。(Q)

