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IPO2025年12月15日

【速報版】IPO社長会見 フィットクルー フィットネスを社会インフラに

フィットクルー(469A)が12日、グロース市場に新規上場した。女性専用のパーソナルトレーニングジムを全国に展開する。初値は公開価格を36.3%上回る3,000円。上場当日の記者会見で鹿島紘樹代表取締役社長=写真=が語った内容は次の通り。

運動と食事で健康をかなえる

私たちがやっていることは単なるトレーニングではない。お客さまの人生を前向きにする希望の循環をつくり出している。女性を健康に美しくすることを追い求め、正しい運動習慣と食事習慣によって多くの人の健康をかなえたい。フィットネスを意識の高い一部の人のものから、もっと身近な社会インフラにしていきたいと考えている。

一気通貫でサポート

展開ブランドのうち、「UNDEUX SUPERBODY」はトレーニングと食事改善をオーダーメードかつ短期集中で提供する女性専用パーソナルジム、2~4カ月の集中コースで、トレーニングだけでなく管理栄養士監修の食事指導、宅配、リバウンド防止のためのアフターコースまで一気通貫でサポートしているのが特長。出店エリアは大都市圏。「UNDEUX SUPERBODY LIFE」は継続を前提としたセカンドライン。「UNDEUX SUPERBODY」と同じ質の高い指導を(リーズナブルな)月額料金で設定。出店エリアは地方都市や郊外の中心部など、通いやすさと続けやすさを重視した立地を選んでいる。売り上げの安定性を高めるリカーリング収益の土台ができている。

男性へも業態拡大

「Dr.plus Fit」は市場を大きく広げるための挑戦。整形外科医監修のもと、姿勢改善や痛み予防といった機能改善ニーズが高い30~60歳代の層に動ける体を取り戻すプログラムを提供している。女性中心の私たちの顧客ポートフォリオに男性やミドルシニア層が加わることで、健康寿命を支える地域のインフラを目指す。「プロジム」はこれらのブランドを根底から支える優秀なトレーナーを育てる仕組み。自社内に作ることで出店スピードを落とさず、高いサービス品質とわれわれの文化を維持できる。

安定性と成長が両立

ビジネスモデルは短期集中と月額制の継続を組み合わせたハイブリッドモデル。店舗数拡大と会員数増加で成長しつつ、月額制の比率を高めることで、安定性と成長を両立させている。利用者数は年平均66.6%、トレーナー数は18.6%で伸び、店舗も55拠点まで拡大。人、店舗、お客さまがバランスよく伸びている。直近は月額制の比率が50%超まで上昇している。

データを基に日次で改善

当社の強みは3点。1つ目はデータドリブンの戦略立案。われわれは直営展開と業務を内製化しているので、予約、稼働率、満足度、解約率などあらゆるデータを自社で蓄積している。それに基づく出店エリアの選定、広告運用、サービス改善などを日時で見直していることが成長につながっている。2点目はブランディングとサービス。お客さまの90%がフィットネス未経験者で、初めてで分からない障壁を取り除くため、デザイン、広告、プログラムを緻密に設計している。選ばれる理由も女性専用に加え、スタジオの雰囲気なども高く評価されている。3点目は高品質なサービスを支える一貫した人材(トレーナー)育成。成長戦略も3つ。1つ目は既存ブランドの全国展開。2つ目はLTV(顧客生涯価値)最大化のためのプロダクト、サービス拡充。3つ目は新ブランド、新サービスの開発。

市場の拡大余地大きく

日本のフィットネス市場は2024年に5,839億円とコロナ前の水準を上回り、回復から成長フェイズに入った。欧米よりも参加率は低く、拡大余地が大きい市場。さらに事業を発展させていくために社会的な信用と知名度を高め、資金調達の手段を広げていくことが重要と考えて、上場した。優秀な人材が多く集まり、サービスの質が一段と高まる好循環をつくることで、会社としての成長を加速させていきたい。(HS)

※速報版は最終的な校了前の紙面記事です。今後、修正等が入る場合があります。

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