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IPO2025年12月18日

IPO社長会見 SBI新生銀行 第4のメガバンク構想を加速

17日、東証プライムにSBI新生銀行(8303)が新規上場、初値は公開価格1,450円を9.3%上回る1,586円と堅調なスタートを切り、翌18日も大幅続伸。第4のメガバンク構想を掲げ、SBIグループと連携しつつ、新たな金融サービスの提供による成長を目指す。上場当日の会見で川島克哉代表取締役社長=写真=が語った内容は以下の通り。

初値の受け止め

多くの投資家の期待だと素直に受け止めている。われわれとしては企業価値の向上に向けサスティナブルな経営努力を続けていくことが大事。今回の上場によって調達した資本をうまく活用してオーガニックな成長分野への投資、併せて既存分野の成長を加速させるようなインオーガニックな投資の機会があれば積極的に投資を行いたい。

3度目の上場

3度目の上場とよく書かれるが、自分自身は当行の上場には初めての関与だし、これまでの旧長銀、新生銀行とは大きく中身も経営方針も変わった。上場には良質な資本のチャネルを新たに確保し、銀行業として社会的な信用をさらに高めることに意義がある。SBIグループの中核銀行としてグループのネットワークやデジタル戦略を活用していく上で、われわれの資本が強まり、財務の健全性が高まるということは重要なポイントだ。

金利の正常化

金利の正常化に伴い銀行間の預金の獲得競争も厳しくなっているが、われわれにとっては成長の原資としてある程度預金が潤沢にあって、個人、法人の資金需要にきちんと対応していくことが大切だと思っている。できるだけスティッキーな(粘着性の高い)預金を獲得していくことが大事だ。そういう意味ではSBI証券との銀・証連携の大きな特徴である「SBIハイパー預金」は大変粘着性の高い、良質な預金と考えている。これもSBIグループの一員になった特長、強みといえる。なかなか他行がマネできないサービスを伸ばし、預金者に対してもそのメリットを還元できるように進めていきたい。

第4のメガバンク構想

地銀との連携構想が今回の上場によって変わることは全くない。さらに加速できるだろう。特に第4のメガバンク構想の実現に向けては97行ある地銀と、どれだけ緊密に連携して、それぞれにニーズや困りごとに対しどれだけ対応できるかだと思っている。上場によって従来よりもスピードが上がり、提供できるサービスもさらに広がっていくだろう。農林中央金庫、KKRとの提携も第4のメガバンク構想、地方創生との連携から意味があることだ。農中との連携で地方に対する農業分野にいい資金を回していくということが大きなテーマで、地銀と進める第4のメガバンク構想とうまくコラボレーション、リンクができると考えている。

上場後の課題

スピード感を持って新しい領域、ビジネスに進出しているのでそれに伴う将来のリスクに対する管理体制を強固なものにしていくことが大事だ。われわれの課題は伝統的な銀行業務としての基盤をさらに強め、その上にSBIグループの一員であることのメリットを生かしてのデジタル技術導入、トークン化エコノミーをわれわれの基盤の上に載せていくことによって、伝統的な銀行と一線を画した新しい領域に強みを持った銀行として成長できるかだ。そこにいかに精通した人材、資源を投入していけるか、そこにかかっていると思う。(M)

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