28日はアドバンテスト(6857・P)、東京エレクトロン(8035・P)、SCREENHD(7735・P)など半導体製造装置(SPE)関連株が急落。アドバンテストと東エレクの2社で日経平均株価を約342円押し下げた。
アドバンテストはUBS証券が投資判断「Neutral」から「Sell」へ引き下げたことが嫌気された。目標株価を6,400円から9,000円に引き上げたが時価を下回る水準。UBSでは、カスタムASIC向けテスターの需要拡大への期待が高まっているものの、市場予想ほど大きな需要にはならないとの見方を示した。短期的に4~6月(1Q)が業績のピークとなり、2Q以降は漸減するとみる。業績を勢いづける要因は、エヌビディア(NVDA)が開発中の次世代AI向けGPU(画像処理半導体)「Rubin Ultra」が本格化する2027年まで来ないと予想する。同社は29日に決算を発表する。
一方、SCREENは前週末に26年3月期第1四半期(1Q、4~6月)決算を発表、売上高が前年同期比1.2%増の1,357億8,500万円、営業利益は同12.2%減の243億8,600万円となった。市場のコンセンサスを下回り売りが先行したものの、会社側では想定通りの進捗とし、通期予想を据え置いている。市場が注目していた中国向けは予想ほど減少せず、通期では計画を上回る可能性も出てきた。
今後の市場見通しについては半導体前工程の市場予想を据え置き、ファウンドリー(半導体受託製造)はAIの最先端半導体向けの投資が継続するとみる。メモリーはDRAM向け投資の堅調を予想する一方、ロジックの計画を慎重に見直しており、アドバンテストに対する慎重な見方が浮上するなか、今後の留意点と言えそうだ。
主要なSPEメーカーでは東エレクが31日、レーザーテック(6920・P)、KOKUSAI ELECTRIC(6525・P)が8月7日に決算を発表する予定。各社の足元の状況、見通しによっては乱高下の局面がありそうだ。(M)