グロースエクスパートナーズ(244A)が9月26日から10月2日のいずれかの日、グロースに新規上場する。
大手企業の組織変革とIT変革に伴走するエンタープライズDX(デジタルトランスフォーメーション)事業を展開。DX支援では、顧客が蓄積してきたレガシー資産(顧客、ブランド、設備・拠点、サポート体制、人財、既存IT資産、ビッグデータ、サプライチェーンなど)の強みを活用した新しいサービスやビジネスモデルの企画を支援するDXコンサルティングに始まり、「出島型アプローチ」による自走型DX組織の実現、データ駆動型プラットフォームの構築までを手掛ける。
出島型アプローチとは、DX推進のために本社から切り離した“出島”組織――例えば顧客企業のDX子会社の設立などを支援することによって、外部の専門性を取り込みながら組織横断的に活動し、企業全体にイノベーションをもたらす取り組みのこと。役員派遣や人事制度設計、人財採用・育成など、出島組織を共同運営する。
また、大手企業のIT変革に当たっては、クラウドやAIなどの最新技術の活用のみならず、既存システムへの対応も不可欠となる。同社は業界のデータモデルやセキュリティモデルを組み込み、既存IT資産のデータを活用するための機能やシステム運用の自動化機能を具備する「データ駆動型プラットフォーム」を構築するノウハウを有しており、同プラットフォーム上でAIデータ解析を実施し、顧客レガシー資産から新しい事業価値の創造に取り組んでいる。
成長力の源泉は、グローバルDX人財の育成とDXテクノロジーアセット(DXを推進するための技術的な資産)の蓄積。前者では海外出身人財を積極採用しており、コンサルタント・エンジニア社員数は今年5月末時点で170名。将来的に海外出身人財比率40%以上を目指す。また、後者ではデータ駆動型プラットフォームを実現するシステム基盤を資産化して、DXテクノロジーアセットのライセンス収益化に取り組んでいる。
今後はマーケティング・営業企画力の強化によって新規顧客開拓を強化、顧客接点を拡大してくほか、既存顧客との取り組み拡大によって1社当たりの取引金額を拡大し、年間取引金額2億円以上のロイヤルカスタマーの数を拡大していく。また、ヨーロッパ・北米・東南アジアなどの海外にも進出し、顧客の海外事業拡大を現地で伴走する体制を強化する。(SS)
概要
●事業内容=エンタープライズ向けのDX支援事業
●本社=東京都新宿区西新宿1-26-2
●代表者=渡邉伸一代表取締役社長
●設立=2008年7月
●上場前資本金=1億585万円
●発行済み株式数=318万株(上場時)
●筆頭株主=渡邉伸一(上場前45.51%)
●公募株式数=新株発行で24万株、自己株式の処分で20万3,400株
●売出株式数=29万5,500株(ほかオーバーアロットメントで11万800株)
●仮条件=9月4日から9月10日のいずれかの日に決定
●ブックビル期間=最短で9月6日から12日まで
●引受証券=野村(主幹事)、大和、SBI、楽天、岡三
業績推移(連結)
売上高 | 経常利益 | 1株利益 | 配当 | |
2023.8 | 3,736 | 396 | 102.96 | ― |
2024.8(予) | 4,377 | 566 | 133.81 | ― |
2025.8(予) | 5,030 | 741 | 148.68 | ― |
※単位100万円、1株利益は円 |