ホルムズ海峡 通航可能に
「米国とイランが2週間の停戦で合意」と伝わり、8日の東京株式市場は全面的な買い戻しで始まった。AI、ハイテク関連主導の上昇で日経平均株価は前日比2,995.07円高の5万6,424.63円まで上昇。終値は同2,878.86円高の5万6,308.42円だった。
トランプ米大統領は日本時間8日午前9時(米国時間7日午後8時)をホルムズ海峡開放の期限とし、応じなければイランの全ての橋と発電所を破壊すると脅していた。しかし、期限直前の日本時間8日午前8時過ぎ、SNS(交流サイト)に「イランがホルムズ海峡の即時、安全な開放に合意することを条件に、中東への攻撃を2週間停止することに合意する」と投稿。これを受け、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物価格が時間外取引で急落する一方、日経平均先物価格が大幅高となった。時間外取引の米国株もNYダウ先物が2%強、ハイテク株が中心のナスダック100先物が3%強の上昇となった。
午前9時取引開始の現物市場では電線・光ファイバー大手のフジクラ(5803・P)、住友電工(5802・P)が午前9時18分にようやく寄り付いたほか、古河電工(5801・P)、東京エレクトロン(8035・P)、アドバンテスト(6857・P)、ソフトバンクグループ(9984・P)、キオクシアHD(285A・P)などもしばらくカイ気配を切り上げる展開。リスク・オフ巻き戻しの動きから原油のINPEX(1605・P)、代替需要増加の期待から買われていた日本コークス(3315・P)、太平洋興発(8835・S)などの石炭関連、化学肥料の片倉コープアグリ(4031・S)などは売られた。
停戦はパキスタンの仲介によるもので、イランのアラグチ外相もSNSに「2週間の間、ホルムズ海峡の安全な通航が可能になる」と投稿。イスラエルも2週間の停戦に合意しており、一定の時間が確保された。パキスタンが米国、イスラエルの代表団をイスラマバードに招き、紛争の終結を目指す協議が10日に始まる予定だ。
大きな前進があった一方、両国がこれまでに示した終結に向けた条件はかけ離れており、先行きに不透明感は残る。ただ、今回、トランプ氏が期限直前に合意を打ち出したようにTACO(トランプはいつも腰砕け)によって、時を追うごとに米国の強硬な姿勢が後退する展開はあり得る。予断を持って相場に臨むことはできないが、市場は終結を織り込み始めているようだ。
原油価格の下落により、日本経済や企業業績の下押し懸念が後退すれば、4月最終週から始まる3月期の決算発表で好業績企業を素直に評価でき、日銀の利上げペースも従来の想定通りとなれば、メガバンク、地銀などの金融セクターの選好度が高まる。また、米国のインフレ懸念が後退、金融緩和が継続すれば日米のハイテク株が再び高値を目指す展開となりそうだ。(M)

