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コラム2024年5月10日

【本日のマーケット】5月10日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

5月10日(金)のマーケット                                                                   

5月9日の米国株式市場でNYダウは7日続伸、ナスダックは小反発。週間の新規失業保険申請件数が前週比2万2千件増の23万1千件となり、市場予想の21万5千件を上回った。労働市場の減速観測で利下げ期待が意識されたため、ホームデポやキャタピラーといった景気敏感株が買われた。オンラインゲーム・プラットフォーム運営のロブロックスは、4~6月期のブッキング(繰り延べ分などを加えた調整後の売上高)見通しがアナリスト予想に届かず急落した。NYダウは前日比331ドル(0.85%)高の39,387ドル。ナスダックではスターバックやコストコが買われ、エヌビディアやテスラ、アームが売られた。民泊仲介のエアビーアンドビーは4~6月期の見通しで下落。NASDAQ総合指数は前日比43ポイント(0.27%)高の16,346。S&P500指数は前日比26ポイント(0.51%)高の5,214。

NYダウ7日続伸とオプションSQによる買いを受けて、日経平均は序盤に急反発したが、週末の手じまいで伸び悩んだ。ダイキンは今期の為替前提が1ドル=138円で業績上振れ期待から大幅高。川崎重工が続伸し、海運株や不動産株が高い。ツムラは今期の大幅増益と大幅増配予想でストップ高。インフォコムは被買収観測でストップ高。トヨタと日産は売られ、SCREENは株主還元強化が物足りず大幅安。IIJは前期決算が計画未達で急落。

スタンダード市場では、日本ハウズイングがMBO(経営陣が参加する買収)が発表されストップ高。三精テクノロジーズは好決算で大幅高。湖北工業は第1四半期が営業減益だったが今後の改善期待で急騰した。アトムは株主優待を縮小したことで急落し、アクセルは今期大幅減益予想で大幅安。

グロース市場では、パーキンソン病の看護介護ケア施設運営のサンウェルズが野村証券の格上げで急伸した。トラースOPはAI電力削減ソリューションが特許登録となりストップ高。Birdmanが急反発。コパコーポは連続ストップ高。クラウドワークスは第2四半期の増益率鈍化で急落。

日足チャート上では、25日移動平均線に上値を抑えられて週末を迎えた。NYダウの上昇を受けて前場に上値を伸ばすも、後場から売りに押される展開が連日続いた。一目均衡表の雲の下限近辺に位置しており、ここで踏み止まれるか。週足では上下にヒゲを伴う陰線。3万9000円近辺に位置する13週移動平均線(3万8907円)には一歩及ばず。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。大型連休をはさんで、決算発表が佳境を迎えています。好調な企業とそうでない企業との格差がかつてないほどにはっきりとしています。

FA機器の横河電機(6841)は、2024年3月期の業績で売上高が5401億円(+18%)、営業利益は788億円(+77%)と大幅な伸びを記録しました。日本を含めて世界のあらゆる地域で設備投資の動きが活発化しています。

特に中東やインドを中心にエネルギー部門で制御機器の受注が伸びています。大型プロジェクトが活発に動いており、制御機器、測定器ともに受注の伸びが好調です。値上げ効果と円安効果もあって、決算発表をきっかけに株価は上場来高値を更新しました。

小型建設機械の世界企業である竹内製作所(6432)は2月決算です。4月半ばに発表した決算では、2024年2月期は売上高が2126億円(+18%)、営業利益は352億円(+66%)と目覚ましい伸びを見せました。いずれも史上最高水準を大幅に上回っています。

「VUCAの時代」と言われる現在、明確な数字には表れなくても各企業がこれまで水面下で着々と進めてきた成長ビジネスの芽が一斉に花開いていると見ることができます。

現在の株価の調整局面でも、おそらくそのような企業がたくさんあるのでしょう。決算内容を吟味しながら、現在の局面を下値をとらえるタイミング探しの時期ととらえて、銘柄リサーチを続けてみようと思います。

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注目記事 Pick up
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【秋口からの上放れを読む背景とは!?
日本証券新聞5月13日(月)紙面1面TOP記事掲載 

野村証券 北岡智哉チーフ・エクイティ・ストラテジストに聞く

個別ベースの派手な騰落とは裏腹に、チャート上、膠着(こうちゃく)ムードを強める日経平均。思えば、昨年末から3月22日最高値までの上昇幅「7,424.26円」に対し、その後4月19日までの下落幅が「3,820.08円」。さらに今月7日までの戻り幅が「1,766.75円」で、9日までの押しは「761.12円」と、騰落の振幅が毎回半分に減る状況にある。ここからの相場の先行きをどう読むべきか。4月の就任後、精力的なレポート発行を続ける野村証券の北岡智哉(きたおか・ともちか)チーフ・エクイティ・ストラテジスト(写真)に話を聞いた。

――3月期決算発表は順調に進んでいるが、会社側の示す今期予想は想定以上に慎重な印象だ。

「高水準の自社株買い発表もあって、失望を誘う状況にはない。保守的な会社見通しがどこで上方修正されるかのタイミングが問われることになるが、経験則的には4~9月期決算発表の相次ぐ10月ごろだろうか。秋口まで一進一退の攻防が続いて、その後上昇する展開をイメージしている」

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今日の市況概況
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5月10日(金)☆[概況/大引け] 

序盤は急反発したが伸び悩んだ。ダイキンが買われ、インフォコムとツムラがストップ高。トヨタとSCREEN、IIJは安い

大引けの日経平均は155円高の3万8,229円、TOPIXは14ポイント高の2,728ポイント。東証プライム市場の上昇銘柄数は902、下落銘柄数は701。出来高は23億2,067万株、売買代金は5兆3,172億円。
NYダウ7日続伸とオプションSQによる買いを受けて、日経平均は序盤に667円高の3万8,741円と急反発したが、週末の手仕舞いで伸び悩んだ。

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