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銘柄・相場情報2019年4月14日

今週の展望 重点物色の「累積効果」発揮

日経平均、もみ合い抜けへ

日経平均 日足

昨年12月19日以来の6万円台奪回まで一時、あと20円に迫ったファーストリテイリング(9983)の急騰や保険、銀行、証券など金融株の見直し買いに刺激され、12日の日経平均は後場に一時、167円高の2万1,878円まで上昇。4月8日に付けたザラバ高値2万1,900円に急接近した。こうした主力株の重点物色による累積効果が、全般の膠着(こうちゃく)ムードをふり払うことにつながるか、それとも「10連休」をにらんだ手控え商状となってしまうか、今週(15〜19日)は重要なフシ目を迎えるだろう。

日経平均の値運びを見る限り、3月4日以降、続いている2万900〜2万1,900円の1,000円幅のもみ合いは煮詰まった。踏み込み一つで、上放れ型のチャートパターンに変わる(チャート参照)。

TOPIXやJPX日経インデックス400などほかの指標は依然、重苦しい動きながら、12日には信越化学(4063)富士フイルム(4901)資生堂(4911)ダイキン(6367)といった優良株や実力株が年初来高値を更新。

11日引け後に決算を発表した安川電機(6506)は今期の連結営業利益見通しとして前期比7%減の数値を打ち出したが、株価は朝方こそ嫌気売りを誘ったものの、前場中盤以降、押し目買いが流入。相場の腰つきは頑強といえる。総じて、全体相場がうねりを取り戻す物色面での舞台づくりは進んでいるとみていい。

米国では今週から15日のシティグループやゴールドマン・サックス、16日のジョンソン&ジョンソン、IBM、17日のモルガン・スタンレー、18日のGEなど主要企業の決算発表が相次ぐため、この内容に対する米国株の反応が一つの注目点。もう一つは、17日に明らかになる中国1〜3月のGDP(国内総生産)、3月の鉱工業生産指数、3月の小売売上高、3月の都市部固定資産投資だ。

減速感が広がっていた中国景気に「下げ止まり」の兆しがこうした指標から確認されるようだと、コマツ(6301)ファナック(6954)など中国関連株に再度、今3月期の収益盛り返しを期待する買いが入ることになろう。11日引け後に東証が発表した4月第1週(1〜5日)の投資部門別売買動向ではメインプレーヤーである外国人投資家は現物市場で6,227億円の買い越し(3月最終週は744億円の売り越し)と、10週ぶりの買い越しを記録。海外投資家の動きにも変化の兆しがうかがえる。(雪灯)

新興市場 テーマ株の循環物色が軸

イベント通過後の方向性を見極めながら、連休控えのポジション調整が意識される局面。HEROZ(4382・東マ)など5G(第5世代移動通信システム)関連をはじめ、AI(人工知能)、バイオなどのテーマ株の循環物色や、材料浮上株でしのぐ展開となりそうだ。テーマ株といっても主軸は流動性の高い主要株。15日で2月期決算発表が一巡、同時に3月期決算開示がそろりスタートする。2月期では15日にTKP(3479・東マ)ウォンテッドリー(3991・東マ)ポエック(9264・JQ)串カツ田中(3547・東マ)などが本決算または四半期決算を開示する。なお3月期決算では、5月10日および14日の2日間は1日当たり開示社数が500社を超える。500社超えは例年1日のみで、今年は驚異的な集中度合い。下旬に上場するIPO案件では、トビラシステムズ(4441・東マ)は前評判上々。(鯉)