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IPO2024年3月4日

新規上場紹介 カウリス 3月28日 グロース “本人らしさ”で不正アクセスを検知

カウリス(153A)が3月28日、グロースに新規上場する。

法人向けクラウド型不正アクセス検知サービス「Fraud Alert(フロードアラート)」を提供。コンサルティング契約にもとづく他社事例紹介やモニタリングルーム改善などのコンサルティングサービスも行っている。使用契約期間に応じて毎月の定額収入を得るサブスクリプション(月額課金)モデルであり、当面は主要ターゲットである銀行を中心に、フロードアラートの新規導入案件と既存顧客に対する設置面の追加で売上高を積み上げる方針。

フロードアラートは250以上の検知項目を活用して、オンラインでの顧客接点である「口座開設」「ログイン」「入出金」の3つのポイントをモニタリング、口座の不正利用を阻止する。具体的には、個人ユーザーが顧客のウェブサイトやスマホアプリに訪問し、口座やアカウントの開設、残高照会・送金などの取引を実施する際に、端末から取得した情報をアルゴリズムで算出し、ユーザーの行動パターンや位置情報などアクセス環境から“本人らしさ”を判定。なりすましではないか、自社・他社において不正利用履歴がないかなどを算定し、法人顧客にリアルタイムでアラートを上げるといったサービスとなっている。

また、毎日処理する不正検知データから独自の「ホワイトリスト(正しい本人が利用していると特定された端末やアカウント)」、「ブラックリスト(不審者データベース)」が作成され、同社の顧客ネットワーク全体でブラックリストを共有することにより、業界全体で不正アクセスを防ぐことを実現している。

そのほか、顧客企業のフィッシングサイトを検知・通知するサービスや、電力会社が保有する電力契約の世帯ごとの個別姓など個別ユーザーの住所や消費電力などの電力設備情報を利用して、なりすましによる不正口座の開設を未然に防ぐサービスなども手掛けている。なお、この電力関連の取り組みは「規制のサンドボックス制度」認定プロジェクトから事業化にこぎつけた国内初の事例でもある。(SS)

概要

●事業内容=法人向けクラウド型不正アクセス検知サービスの提供など
●本社=東京都千代田区大手町1-6-1
●代表者=島津敦好代表取締役社長
●設立=2015年12月
●上場前資本金=5,500万円
●発行済み株式数=608万6,700株(上場時)
●筆頭株主=rhizome(上場前50.14%)
●公募株式数=38万株
●売出株式数=121万700株(ほかにオーバーアロットメントで23万8,600株)
●仮条件=3月8日に決定
●ブックビル期間=3月12日から18日まで
●引受証券=SBI、大和(共同主幹事)、楽天、マネックス、SMBC日興、岡三、松井

業績推移(単独)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2022.12 769 219 39.37
2023.12 994 293 45.63
2024.12(予) 1,360 463 51.86
※単位100万円、1株利益は円

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