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IPO2023年9月21日

新規上場紹介 ケイファーマ 10月17日 グロース 慶應大発のiPS医療ベンチャー

ケイファーマ(4896)が10月17日、グロースに新規上場する。

神経難病に対して有効な治療法を届けるために2016年に設立された慶應義塾大学医学部発のベンチャー企業。iPS細胞を活用したiPS創薬事業と再生医療事業のハイブリッドで慶應大学や研究機関と連携して研究開発を推進するとともに、バリューチェーンを構成する各企業とも連携する。

創業科学者で取締役CSOの岡野栄之教授らの研究チームが神経幹細胞のバイオマーカーである遺伝子「musashi」を発見。世界で初めて中枢神経領域の再生医療の可能性を見出した。主な対象領域はALS(筋萎縮性側索硬化症)、脊髄損傷、脳梗塞。

iPS細胞を活用した創薬事業と再生医療が主たる事業。慶應大医学部などの研究機関の研究や自社独自の研究に基づいた開発パイプラインについて、製薬会社などのパートナーと共同研究開発や将来の製造、販売などの権利を譲渡するライセンス契約を締結して収入を得る。

創薬事業のALS向けの開発パイプライン「KP2011」は第2相臨床試験まで終了。アルフレッサHD(2784・P)傘下のアルフレッサファーマと国内の開発権、製造販売権の実施許諾契約を締結。第3相試験の準備はアルフレッサファーマが主導する。

再生医療事業の開発パイプラインは亜急性期の脊髄損傷について、臨床研究中。21年に行った1例目の移植は安全性の評価がなされており、2例目以降の移植が継続されている。今後、慶應大学と連携して、ケイファーマ主導の企業治験を実施する予定。

23年12月期の業績は売上高10億円(前期は売り上げ無し)、営業損益3億200万円の黒字(前期は3億5,300万円の赤字)を見込んでいる。(HS)

概要

●事業内容=医薬品の研究・開発・製造・販売、再生医療等製品の研究・開発・製造・販売
●本社=東京都港区六本木7-7-7
●代表者=福島弘明代表取締役社長
●設立=2016年11月
●上場前資本金=1億円
●発行済み株式数=1,155万9,000株(上場時)
●筆頭株主=福島弘明(上場前22.03%)
●公募株式数=168万株
●売出株式数=オーバーアロットメントで25万2,000株
●仮条件=9月27日に決定
●ブックビル期間=9月29日から10月5日まで
●引受証券=SBI(主幹事)、岡三、SMBC日興、岩井コスモ、極東、松井、楽天

業績推移(単体)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2021.12 ▼220
2022.12 ▼359
2023.12(予) 1,000 266 17.69
※単位100万円、1株利益は円、▼は赤字

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