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IPO2023年7月3日

新規上場紹介 テクニスコ 7月26日 スタンダード 高性能半導体向けヒートシンク、精密ガラス製品の製造販売

テクニスコ(2962)が7月26日、スタンダードに新規上場する。同社は1970年2月、第一製砥所(ディスコ、6146・P)の研削切断加工技術を研究開発する目的で、精密切断研究所としてスタート、2014年10月、MBO(経営陣による買収)の実施により独立した。現在はヒートシンク、精密ガラス製品など精密加工部品の製造販売が主力。

同社の「ヒートシンク製品」は、電子部品が機能する際に発生する熱を吸収し放熱して、性能低下や故障を防ぐことを目的とした構成部品で、半導体レーザー、パワー半導体、MPUなどに向けに高機能を提供している。同社が得意とする高い熱伝導を持つ高出力レーザー用のヒートシンクは、窒化アルミニウム(AlN)と銅(Cu)の複合した製品、銅タングステン(CuW)を主な材料とした製品化などで、通常の銅やアルミの製品に比較して複数素材からなる複合材であるため、加工が難しいという。

「ガラス製品」は、光透過性、電気的絶縁性、気密性、耐薬品性などの特徴を持つ電子部品用で、ガラスに微細な形状加工や金属回路形成加工を行い、電子デバイスと組み合わせることで電子デバイスの機能性を上げる構成部品。半導体センサーなどの電子デバイスの小型化、高機能化を可能とし、各種センサー向け、モバイル機器向け、バイオ・医療向けなどの精密ガラス製品を提供している。このほか、各種金属材料、シリコン(Si)材料、窒化アルミニウム(AlN)や酸化アルミニウム(Al2O3)などのセラミック材料の加工製品を提供している。

同社の製品は、顧客製品の中の構成部品として組み込まれるもので、基本的には顧客ごとの要求仕様を受託し、試作から量産までにおいて製品化していく受注生産。「切る」「削る」「磨く」「メタライズ(非金属の表面への金属膜化)」「接合」の加工技術を組み合わせる「クロスエッジTechnology」を、最先端の開発や生産に活かし、顧客の要望に応えられることが強み。

24年6月期の連結業績については売上高64億7,500万円(前期比23.0%増)、営業利益は4億2,700万円(同66.7%増)を見込む。(M)

概要

●事業内容=精密加工部品事業(ヒートシンク製品およびガラス製品などの製造・販売)
●本社=東京都品川区南品川2-2-15
●代表者=関家圭三代表取締役社長
●設立=1970年2月
●上場前資本金=1億円
●発行済み株式数=879万8,100株(上場時)
●筆頭株主=XEホールディングス(上場前77.00%)
●公募株式数=228万1000株
●売出株式数=オーバーアロットメントで34万2,100株
●仮条件=7月5日に決定
●ブックビル期間=7月7日から13日まで
●引受証券=野村(主幹事)、三菱UFJモルガン・スタンレー

業績推移(連結)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2022.6 5,480 887 123.18
2023.6(予) 5,265 247 19.80
2024.6(予) 6,475 420 34.87
※単位100万円、1株利益は円

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