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IPO2019年7月3日

新規上場紹介 ブシロード 7月29日 マザーズ 各種IP使いゲームなど展開

ブシロード(7803)が7月29日、マザーズに新規上場する。

良質なIP(知的財産)を開発・取得・発展するIPデベロッパーとして、「新時代のエンターテイメントを創出する」ことをミッションに掲げている。

グループは10社で構成。トレーディングカードゲーム(TCG)、モバイルオンラインゲーム(MOG)、音楽CD、ライブ、グッズ、書籍など様々なサービス展開をワンストップでタイミングよく提供する体制を構築している。

2012年には、長い歴史とIPとしての魅力を持つ新日本プロレスを子会社化するなどスポーツ事業も展開している。16年にはゲーム事業を展開するグリー(3632)が資本参加している(上場前の保有株比率は11.18%)。

TCGは、1対1の対面で遊べるアナログゲームで、同社が創業より開発・販売を行っており、グループ売上高の約3分の1を占める。4タイトルを展開しており、このうち「ヴァイスシュヴァルツ」は自社他社問わずアニメやゲームなどさまざまな有力なIPを取り入れたプラットフォーム型TCGで、08年の発売以降100を超えるIPが参入している。TCGは海外展開も行っている。日本語版の輸出や英語版の発売のほか、「カードファイト!!ヴァンガード」はイタリア語、タイ語、韓国語などでもローカライズ(翻訳、仕様変更など)を行っており、海外60カ国以上で発売している。

MOGはゲームブランド「ブシモ」を冠してグーグルやアップルなどが運営するプラットフォームを介してユーザーに無料で提供し、一部アイテムを購入する際に課金される課金型のビジネスモデル。「バンドリ!ガールズバンドパーティ!」など13タイトルを提供している。

エンターテインメント事業には、このTCG部門、MOG部門のほかに、音楽ソフト販売や声優のマネージメントなどを行う音楽部門、IPに関連するグッズの企画・販売などを行うMD部門、関連書籍の出版や広告代理店業務を行うメディア部門の5部門がある。

スポーツ事業は、新日本プロレスとキックボクシングイベントを主催するキックスロード(16年設立)の2社で、興行、グッズの企画・販売、動画コンテンツの企画・制作・配信を行っている。新日本プロレスは連結子会化以降、興行の動員人数や売上高は伸長を続けており、18年7月期には過去最高の売上高となった。

18年7月期における主要部門の売上高構成比は、TCG35%、MOG26%、音楽7%、MD10%、新日本プロレス17%となっている。

今後はIPの育成・発展に取り組み、大型化を図る。スポーツ事業では「新日本プロレス」やキックボクシングのイベント「KNOCK OUT(ノックアウト)」のブランドを一段と浸透させ、後者は国内キックボクシング業界でのナンバーワン団体を目指す。

なお、IPについてさまざまなメディアに対して商品やサービス展開(メディアミックス)をグループ全体で担うため、プロモーション施策を積極的に展開している。18年7月期の広告宣伝費は50億6,022万円と販売管理費の47%を占めている。

概要

●事業内容=各種IPを使ったトレーディングカードゲーム、モバイルオンラインゲーム、映像音楽コンテンツ、イベント、グッズの企画、開発、製造、販売
●本社=東京都中野区中央1-38-1
●代表者=橋本義賢代表取締役社長
●設立=2007年5月
●上場前資本金=9億2,981万5,000円
●発行済み株式数=1,570万6,000株(上場時)
●筆頭株主=三井住友信託銀行(上場前33.73%)
●公募株式数=210万株
●売出株式数=168万3,000株(このほかオーバーアロットメントで56万7,400株)
●仮条件=7月10日に決定
●ブックビル期間=7月11日から18日まで
●引受証券=SMBC日興(主幹事)、大和、みずほ、SBI、楽天、マネックス、エース、水戸

業績推移(連結)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2017.7 22,759 323 ▼1.68
2018.7 28,889 2,996 120.35
2019.7(予) 31,354 2,739 125.79
※単位100万円、1株利益は円。▼は赤字

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