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IPO2022年5月30日

新規上場紹介 マイクロ波化学 6月24日 グロース 化学メーカーにマイクロ波プロセスを導入

マイクロ波化学(9227)が6月24日、グロースに新規上場する。

国内外の化学メーカーと提携し、マイクロ波化学技術を使った新しい製造プロセスの開発・事業化を行っている。ラボ開発(フェーズ1)から実証開発(フェーズ2)を行う研究開発会社としての役割と、実機の導入・製造販売(フェーズ3)、製造支援(フェーズ4)を行うエンジニアリング会社としての役割を併せ持ち、これらをワンストップで提供している。

化学産業では100年以上にわたって「熱と圧力」によるエネルギー伝達手段が使われている。一方、電子レンジにも使われているマイクロ波は特定の物質に分子レベルで直接エネルギーを伝えることができることから、かねて“第3のエネルギー伝達手段”として注目されてきた。同社は最大の障壁である「製造装置の大型化」を解決するプラットフォーム技術を独自開発。自社工場を設立し、そこから製品出荷も実現している。

フェーズ1~2では、共同開発費や実証機の設計費という形で収益を計上。顧客が事業化するフェーズ3~4ではプロジェクトマネジメントフィーや設計費を計上した上で、顧客がマイクロ波プロセスを導入することによって生み出すことができたコスト削減や付加価値向上などの価値の一部、同社が所有するバックグランドIP(知的財産)の使用料としてライセンス収入を、一時金やロイヤリティという形で計上する。

事業の成功率を高めるためには、初期段階における開発課題の特定、事業仮説や期待値の設定が重要であり、徹底的なヒアリングを実施し、必要に応じて簡単な試験を行うことで効率の良い案件獲得につなげていく。さらに、その前段階となる顧客からの引き合い数を増やすことに注力することで、事業性の高い案件の受注を目指す。

顧客は化学メーカー中心だが、技術プラットフォームを「標準化」し、業界・市場に共通した課題に対するソリューションを提供することで、技術を横展開していく方針。具体例として、ケミカルリサイクル事業や医薬関連事業などが想定される。今後、国内はもとより世界各国にマイクロ波プラントを立ち上げていく。

これまでのプロジェクトの一例として、JAXA(宇宙航空研究開発機構)との「凍結乾燥」がある。これはマイクロ波の照射により月や火星の地中の氷から水をつくる技術。マイクロ波反応装置「Planet One」を製造し、装置の中に入れた砂から効率的に水を回収できることを証明した。(SS)

概要

●事業内容=マイクロ波化学プロセスの研究開発及びエンジニアリング、マイクロ波化学プロセスのライセンス事業
●本社=大阪府吹田市山田丘2-1(登記上:大阪府大阪市住之江区平林南1-6-1)
●代表者=吉野巌代表取締役社長
●設立=2007年8月
●上場前資本金=22億9,844万円
●発行済み株式数=1,514万3,400株(上場時)
●筆頭株主=UTEC2号投資事業有限責任組合(上場前19.84%)
●公募株式数=170万株
●売出株式数=133万1,900株(ほかにオーバーアロットメントで45万4,700株)
●仮条件=6月8日に決定
●ブックビル期間=6月9日から15日まで
●引受証券=SMBC日興(主幹事)、SBI、三菱UFJモルガン・スタンレー、楽天

業績推移(単体)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2021.3 458 ▼355
2022.3 860 ▼98
2023.3(予) 1,133 30 3.08
※単位100万円、1株利益は円、▼は赤字
※2022年3月期は実績(未監査)

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