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IPO2023年10月2日

新規上場紹介 KOKUSAI ELECTRIC 10月25日 プライム 半導体用の成膜プロセス装置で世界トップ

KOKUSAI ELECTRIC(6525)が10月25日、プライム市場に上場する。

成膜プロセス装置、トリートメント(膜質改善)プロセス装置など半導体製造の前工程で使われる装置の大手。前身は日立製作所の子会社として事業運営をしていた日立国際電気だが、TOB(株式公開買い付け)により投資ファンド傘下に入り、2018年3月に東証一部市場を上場廃止となった。その後日立国際電気の半導体製造装置事業を引き継ぎ、商号変更を経て現在に至っている。

成膜プロセス装置は、ウエハに電子回路を形成する際、回路素材となるポリシリコン膜や絶縁膜などの薄膜を形成する。半導体デバイスの三次元化と微細化を受け構造が複雑になるにつれ、成膜が必要な表面積も拡大し、難易度の高い高品質成膜が要求されるようになっている。同社は高難易度成膜と高生産性を両立するバッチALD技術という独自技術で、22年で世界1位のシェアを持つ。

トリートメントプロセス装置は、成膜後にプラズマや加熱により膜中の不純物の除去や粒子を安定させることで膜質の改善をする装置。半導体デバイスの微細化、複雑化に伴い低温環境での成膜需要が高まる中で、近年需要が拡大しているという。こちらは世界シェア2位。

中期的な成長戦略として、半導体デバイスの複雑化・三次元化に対応した新技術・新製品の研究開発を進めるほか、NAND分野で評価されている製品・技術をロジック、DRAM分野へと展開、事業の拡大と高収益化を推進する。長期的な需要増加を見据え、富山県砺波市に24年秋までの竣工をめざし、砺波事業所を建設中。中期事業目標として、売上収益3,000億~3,300億円、調整後営業利益率28~30%を掲げている。

24年3月期は半導体市況の悪化を受けた台湾ファウンドリーメーカー、内外のメモリーメーカーの設備投資抑制を受け、売上収益は前期比26.7%減の1,800億円、営業利益は同48.1%減の291億900万円と減収減益を見込む。(M)

概要

●事業内容=半導体製造装置の開発・製造・販売・保守サービスおよびそれに附帯関連する事業
●本社=東京都千代田区神田鍛冶町3-4
●代表者=金井史幸代表取締役社長執行役員
●設立=2017年2月
●上場前資本金=100億500万円
●発行済み株式数=2億3,040万4,200株(上場時)
●筆頭株主=ケイケイアール・エイチケーイー・
●インベストメント・エルピー(上場前70.77%)
●公募株式数=なし
●売出株式数=5,884万7,600株(ほかにオーバーアロットメントで882万7,100株)
●仮条件=10月10日に決定
●ブックビル期間=10月10日から13日まで
●引受証券=野村、SMBC日興、みずほ、三菱UFJモルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス(共同主幹事)、大和、東海東京

業績推移(連結)

売上収益 営業利益 1株利益 配当
2022.3 245,425 70,652 222.83
2023.3 245,721 56,064 174.93
2024.3(予) 180,000 29,109 87.67 11
※単位100万円、1株利益・配当は円

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