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コラム2021年3月29日

相場の福の神 真の成長企業はコレだ! (第45回) 宮越ホールディングス(6620)

深センプロジェクトWICでユニコーン抱え込み、ダブルテンバガーへ

まいど!「相場の福の神」こと藤本誠之です。年間300社を超える上場企業のトップにインタビューを行っていますが、本連載では、その中から厳選した「真の成長企業」をご紹介していきます。

宮越ホールディングス(6620)は東京都大田区大森北に本社を置き、中国で不動産開発・賃貸管理を行っています。主な収益源は深センでの不動産賃貸による家賃収入となっています。

家電から投資会社へ

1966年に現在の会長兼社長である宮越邦正氏が、25歳で東邦電器製作所を創業、電子部品の製造を開始しました。その後、高度経済成長の中で成長、田中角栄元総理大臣が成し遂げた日中国交正常化の後に、中国政府から教育用テープレコーダーの製造技術指導の要請を受け、上海無線電第二工場(紅灯ブランド)と合作事業を開始、日中国交正常化後、最初の中国進出日本企業として注目されました。

M&Aに注力し、1983年に東証第1部上場の音響機器メーカー、クラウンの経営権をダイエーから取得、84年には東証第2部上場の冷凍機器メーカー田尻機械工業の経営権を東芝から取得し、業容を拡大しました。

87年には深セン経済特別区に13万6,000平方メートルの工場用地を取得、深セン皇冠(中国)電子有限公司を設立して音響・映像機器の現地生産を開始しています。

一時は売上高1,000億円以上の大企業となりました。しかし、中国・韓国メーカーの台頭で競争力を失い、最終的には、完全徹底して、投資会社に業態転換を行った――という企業です。

金の卵を産むニワトリ、WIC

87年に取得した深セン経済特別区にある13万6,000平方メートルの工場用地ですが、工場撤退後に不動産開発・管理授業を開始、これが現在の収益源となっています。

深センの工場跡地は、深センの都市化に伴い、巨大ショッピングセンターやオフィス街がある地域に変ぼう。日本で言うと表参道のような場所だそうです。現在、ここに約1,200億円を投資して、ワールド・イノベーション・センター(WIC)を建設する予定です。日本を中心に世界から進出する大手優良企業200社と、中国全地域を代表する500企業、地元深センのスタートアップ企業3万社、高新技術認定企業1万4,000社などが連携するべくイノベーションの推進に協力します。さらに行政との連携で24時間365日、進出企業への支援を行う予定とのことです。

延べ床面積が約70万平方メートルで、1平方メートル当たり5,000円から6,000円の賃料設定、すべてが完成した場合、年間約400億円の賃料収入が期待できます。毎年数パーセントの賃料UPも十分に期待できます。

(福の神ポイント) WICでの家賃収入を元手に日中の様々な企業へ投資。第2、第3のBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)や、アジアで急成長を遂げる配車アプリのグラブ、ゴジェックのようなユニコーン企業に投資を行うことで、2030年には時価総額1兆円の投資会社になることを目標としています。現在は無借金、自己資本比率90.4%と好財務内容企業でもあります。時価総額は約371億円。株価20倍以上のダブルテンバガーが狙えそうです。

藤本誠之(ふじもとのぶゆき)=ラジオNIKKEIなど各種メディアでおなじみの証券アナリスト。財産ネット企業調査部長。阪神タイガースファン。オールアバウト株式ガイド。

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