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コラム2021年8月30日

相場の福の神 真の成長企業はコレだ! (第55回) nmsホールディングス(2162・JQ)

アフターコロナの勝ち組に

まいど!「相場の福の神」こと藤本誠之です。年間300社を超える上場企業のトップにインタビューを行っていますが、本連載では、その中から厳選した「真の成長企業」をご紹介していきます。

製造業向け人材サービス

東京都新宿区の東京オペラシティタワーに本社がある製造派遣・請負の中堅企業で、製造受託(EMSサービス)も行っています。

3つの事業

ヒューマンソリューションHS事業、エレクトロニクス・マニュファクチャリング・サービスEMS事業、パワーサプライPS事業の3つの事業を行っています。

ヒューマンソリューションHS事業は、製造業向けに労働者の派遣、ITエンジニアの派遣、また外国人技能実習制度に関わる入国後教育研修の受託および実習生受け入れ先への業務支援等を行っています。物流業界向けにも行っています。単なる派遣だけではなく、業務の請負まで行っているのが、大きな特徴です。

エレクトロニクス・マニュファクチャリング・サービスEMS事業は、設計、実装から物流、修理まで「製造業のファブレス化」に対応して、製品の製造受託を行っています。

パワーサプライPS事業に関しては、メーカーとして特殊用途の電源を製造しています。

10カ国に70カ所の拠点を持ち、1万3,000名の人員

アジアを中心に海外展開しており、10カ国に70カ所の拠点を持ち、1万3,000名の人員を持って、日本のモノづくりを陰で支える製造業のサポート集団となっています。

技能実習生

アジア諸国での海外工場の存在が、技能実習生関連のビジネス拡大に大きく役立っています。技能実習生は通常だと3年、特定技能でも最大5年で1回限りしか認められておりません。他社経由の技能実習生は、実習生を終えた後の働き場所に困るのです。しかし、nmsホールディングスの場合は、自社の海外工場で、働きながら日本語教育を受け、実習生になるための学習を行います。だから、事前に他社ほど多額の経費が掛からず、大きな借金を背負う必要がありません。また、実習生を終えた後は、母国でのnmsホールディングスの運営する工場で働くことが出来るのです。

日本語の出来る人材がいるので、日本から従業員を送る必要がなく、海外工場を運営できるので、非常に大きなメリットとなっています。

今期は増収・増益予想

前期は、特に海外事業が新型コロナ禍の影響で、2ケタの減収・減益となりましたが、2022年3月期の今期は、大幅な増収・増益予想となっています。第1四半期も黒字転換、進捗率も良く絶好調となっています。

(福の神ポイント) nmsホールディングスは、「ニッポンのモノづくり品質を世界に」を実践してきた企業です。単なる製造業向けの人材派遣から、業務請負を行い、自社工場保有しての製造受託のEMS事業や、一部特殊電源では自らがメーカーとなっています。

アフターコロナでは、大人材不足時代となり、製造業が期間工などの獲得が難しくなり、nmsホールディングスが今まで着々と構築してきた、海外ネットワークからの人材、または、製造受託が爆発的に増加する可能性があります。
株価指標面も予想PER10倍割れと割安水準で株価も300円台と買いやすい水準なので、中・長期投資がおススメの銘柄です。

藤本誠之(ふじもとのぶゆき)=ラジオNIKKEIなど各種メディアでおなじみの証券アナリスト。財産ネット企業調査部長。阪神タイガースファン。オールアバウト株式ガイド。

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