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コラム2019年11月29日

竹中三佳の株Catch one’s eye Part.301 東芝、医療分野で存在感

以前とある保険会社のCMに出演した際、台本に書かれた「今や日本人の2人に1人は癌(がん)に。」というセリフに衝撃をおぼえました。事実1981年以降一貫して日本人の死亡原因の1位は癌、昨年の癌による死亡者数は約37万人、生涯で癌に罹患(りかん)する確率は男性62%、女性47%に上ります。

私にも癌を患ったり、癌が原因で亡くなったりした親族がおり、決して他人事ではないと憂惧(ゆうぐ)していたのですが、治療法の進歩により、早期発見できれば癌に罹患しても生存率が著しく向上する、と聞き少し安心しました。

そんな中、血液1滴から2時間で、すい臓癌、乳癌など13種類の癌を99%の精度で検出する技術の開発を東芝(6502・2部)が発表しました。独自のマイクロRNA検出技術を使った血液検査により、生存率の高いステージ0から癌罹患の有無を識別できるそうで、来年から実証試験を進めるとのこと。これが実用化されたら、老若男女、心身共に負担なく癌の早期発見が可能となり、近い将来癌は恐れる病気ではなくなっているかもしれない、と期待に胸を膨らませました。

東芝ではこのほかにも独自技術である「生分解性リポソーム」を用いた癌の遺伝子治療を信州大学と共同研究したり、米国ジョンズ・ホプキンス大学と3年以内の実用化を目指した心臓病の発病リスク予測AI(人工知能)の共同開発を開始したりと、精密医療を中核とした医療事業に積極参入しています。

わが国における2017年の平均寿命は男性が81.09歳、女性が87.26歳で男女とも過去最高を更新し、人生百年も現実味を帯びてきた中で、その技術力を最大限に用いて、叫ばれるクオリティ・オブ・ライフの向上を実現させることは出来るのか、今後の東芝の研究開発に注目しています。

竹中三佳さんのプロフィール

タレント、リポーター、モデル。ホリプロアナウンス室所属。明るく誠実でファッショナブルなキャラクターでTVやラジオ、CMなどで活躍。

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