毎年11月11日は中国最大のEC(電子商取引)イベント「W11(独身の日)」。中国EC最大手アリババグループの昨年の独身の日のセールス全体の流通額は、過去最高の約9兆6,000億円を記録するなど、世界最大の流通総額が動くイベントとして世界中から注目され、日本企業も多数参加しています。

そんな中、驚かされたのが中国におけるライブコマースの威力。ライブコマースとは、リアルタイムで配信される動画(ライブ配信)内にて商品やサービスを紹介、コメント機能を介し質問や回答などの双方向のやりとりを可能とし、ユーザーの購買を促すオンライン販売形態。中国ではKOL(インフルエンサー)のライブコマースにおける購買影響力はすさまじく、昨年の独身の日プレセールで最も売り上げた人気KOLは1日で、売り上げ約1,900億円以上を叩き出したと話題になっていました。

打って変わって楽天グループ(4755・P)、花王(4452・P)、資生堂(4911・P)など様々な大手企業がライブコマースに参入しているものの、メルカリやYahoo!ショッピングなど撤退している企業も少なくなく、浸透しているとは言いづらかった日本国内向けライブコマース。ところが近年コロナ禍におけるオンライン接客の重要性の再認識や、ライブ配信の浸透・多様化、5Gの普及、デジタルネイティブの台頭などを追い風に、2024年までには10兆円規模に拡大すると予想され始めました。今後の市場拡大余地に期待が高まるライブコマース市場において、どの企業が売り上げまで結び付け頭角を現すのか、その内容含め注目しています。