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インタビュー2021年11月18日

これからの証券界を占う JIA証券・奥村英敏マネージャーに聞く

業界全体の体質改善が必要 新サービス、独自商品で差別化へ

今回はJIA証券(旧三京証券)証券営業部の奥村英敏マネージャーに、営業の現場から見た証券業界の今後、そしてJIA傘下入りで生まれ変わったJIA証券(旧三京証券)について話を聞いた。

――三京証券からJIA証券となって、変わったことは。

「新生・JIA証券としてまだスタートを切ったばかりだが、社内には良い意味で緊張感がある。この先商品ラインナップが拡充していくことには非常に期待しており、既にJIAグループの商品を顧客に紹介するサービスも予定されている」

――奥村氏は国内証券・外資系証券などで約20年以上、個人・法人分野で証券営業に従事してきた。IFA(資産アドバイザー)をサポートする立場も経験されたという。

「目先の収益を追うのではなく、将来的に顧客の資産を大きくするために何ができるかが重要になってくる。そして、どのような形で顧客に満足してもらい、納得される手数料を頂くかということに向き合ってきた」

「IFAの経験から得たことも多い。トップレベルのIFAは顧客の要望をひたすら聞くことに徹し、資産運用だけでなく、必要に応じて保険や税務などの専門家と連携して解決策を提供するというスタイル。これが結果として大きな成約を生み出し、顧客との強固な信頼関係につながることを学んだ」

――JIA証券の取扱商品を教えてほしい。

「現物株式、信用取引、新興国の外国債券が主な商品。JIA証券になってからは米国株式の情報も充実させており、今後は米国株を取り扱うことが多くなってくると思う。あとは普通の証券では扱わないようなJIA独自の商品も今後も取り扱っていくと聞いている」

――証券業界について。スマホ証券、ネット証券の勢いが増す一方で、対面証券会社は厳しい状況にある。今後どうすべきか。

「顧客も高齢化しているので、従来の株式主体の売買スタイルは必要だとは思う。しかし、これだけネット証券主導による手数料の値下げ競争が加速する中で、旧来型のビジネスモデルに依存し続けるのには限界がある。やはり、業界全体の体質改善が必要だ」

「こうした中で、将来的にJIAの証券化商品を取り扱えるようになったことは我々にとって非常に大きな転機。少し時間はかかるとは思うが、紹介ビジネスや新たな商品の紹介など、ビジネスモデルを抜本的に変えていく必要があると思っている。既に紹介ビジネスは徐々にではあるが形になりつつある」

――対面証券会社が抱える顧客の高齢化問題、相続問題について。

「一部の大手証券やネット証券では信託サービスで対応している。しかし、中小証券や地場証券ではコストの問題もあって対応が進んでおらず、資産流出になるケースが多いのが現実だ。これからも高齢者に資産は集まり、その高齢者の数も増え続けていく。非常に難しい問題だが、顧客が元気なうちに次の世代と相続に備えた準備を進めることが重要となってくるだろう。その際には、外部の専門家との連携なども必要になってくるのではないか」

――今後、JIA証券の営業部として目指す姿とは。

「既存の顧客との関係をより強固なものにしていくとともに、JIAグループとの連携によって新たな富裕層顧客の取り込みを図っていきたい。証券会社はどこも同じと思われがちだが、新たなビジネスや商品の紹介を通じて、未開拓の顧客にも当社と付き合うことのメリットを感じていただけるようになるのではと思う」

JIA証券株式会社 証券営業部 マネージャー 奥村英敏

国内証券会社で個人営業にて11年間勤務した後、外資系証券会社にて個人、法人営業及びIFAサポート業務を兼務。その後、国内証券会社にて法人営業IFA業務を経て、JIA証券(旧三京証券)には2019年夏に入社し、現在は証券営業部マネージャーとして個人、法人営業に従事。