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インタビュー2021年1月25日

トップインタビュー 日総工産 代表取締役会長兼社長 清水竜一氏 日本のモノづくりを守る「製造派遣HR」4月始動 業界8社が結束、見据えるこの先

製造業向けに人材派遣と業務請負を手掛ける日総工産(6569)は21日、人材にかかわる業務をオンラインで一元管理できるしくみを導入したと発表した。派遣会社向けに教育システムを提供するクロスリンク(横浜市)に出資して、同社が開発した「HRクロス」を、ウイルテック(7087・2部)平山ホールディングス(7781・JQ)ら同業7社とともに広めていく。

――「HRクロス」でできることは?

われわれ派遣会社と、メーカーなど派遣先企業とがネット上でコミュニケーションが図れる。人材の依頼から契約まではもちろん、人材の勤怠管理などまで一元管理が可能になる。

――なぜ今なのか。

あらゆる業界でDX化が進む中、置き去りにされているのが製造派遣だ。人材の依頼から契約は営業担当による対面がメーン、タイムカードなど勤怠管理は派遣会社がそれぞれ独自のフォーマットで対応するため、メーカー側の事務処理は非常に煩雑で膨大。加えて昨年4月には正規・非正規労働者間の不合理な格差の解消を目指す「同一労働同一賃金」ルールが大企業に導入され、今年4月からは中小企業への導入を控えており、メーカーでは人材の評価システム構築までもが急務となっている。

――同業7社と連携した背景は。

人材を一元管理できるシステムは既に存在するのだが、われわれの「HRクロス」は業界のスタンダードを目指す。勤怠管理は複数サービスとの連携を可能にした。これから立ち上げる人材の評価システムについても8社がノウハウを持ち寄り最適なしくみを用意することで、運用方法を模索中のメーカーが安心してご利用いただけるものになると自負している。

独自システムで囲い込み短期的なマネタイズを迫るのではなく、「HRクロス」が目指すのは製造業全体の発展。日本のモノづくり企業が息長く続いていくためにも、われわれのような外部労働力をフル活用していただけるしくみを用意するべきだと考えた。

――日総工産が目指すもの。

製造業派遣はAIの台頭などで縮小が見込まれる。そんな中でも、当社は教育に力を入れており、人材の技術力の高さには定評がある。「HRクロス」によって人材の評価システムが業界内で標準化されれば、技術力の高さがさらに際立ち、当社の優位性が再認識されることを期待している。

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