このコラムでは、東証上場の全銘柄についてAIが値動きを点検し、特徴的な動きが出ている銘柄を探す。点灯した銘柄が特定の業種や市場に偏っていれば、その共通項を今週の主題として取り上げる。
扱うのは、計算によって確かめられる事実だけ。売買の判断や推奨は示さない。
データ基準日:2026年10月15日(この日の終値までの情報のみを使用)
※20営業日前比(=20営業日前の終値との比較)、過去20営業日平均比(=過去20営業日の平均との比較)
今週の要点
・日経平均は 64,425.95円。5営業日で -8.01%、20営業日で +0.65% 動いた。
・ただし20営業日で値上がりした銘柄は全体の 40.4%、日経平均を上回ったのは 36.0% だった。
・東証の 3,631銘柄を分析し、売買代金が1日平均 1億円 以上の 1,630銘柄 のうち 78銘柄 で行き過ぎを示す指標が点灯した。
・業種による偏りは見られなかったため、市場ごとに点灯した銘柄から 5銘柄 を取り上げる。
・「ボリンジャーバンドの上限・下限付近に達すると反転しやすい」という見方を、取り上げた銘柄の過去の値動きで確認した。反転した割合と、どの日から数えても同じ方向に動いた割合との差は、最大で 8.0ポイント だった(第5節)。
【1. 市場全体の動き】
日経平均の20営業日の騰落率は +0.65% だった。分析した全銘柄の売買代金(20営業日平均)に占める割合の上位は次のとおり。
| 銘柄 | コード | 売買代金の占有率 | 20営業日の騰落率 | 日経平均との差 |
| キオクシアHD | 285A | 12.19% | △28.48% | ▼29.13pt |
| アドバンテスト | 6857 | 5.81% | △8.26% | △7.61pt |
| ソフトバンクG | 9984 | 4.46% | ▼25.81% | ▼26.46pt |
| 太陽誘電 | 6976 | 3.29% | △7.11% | △6.46pt |
| レーザーテック | 6920 | 2.32% | △13.45% | △12.80pt |
20営業日の騰落率を計算できた 3,631銘柄 のうち、値上がりしたのは 1,468銘柄(40.4%)、日経平均を上回ったのは 1,308銘柄(36.0%) だった。売買代金の下限を問わず全銘柄で見ると、行き過ぎの点灯は買われ過ぎ 38、売られ過ぎ 115 だった。指数の値動きと、個々の銘柄の値動きには開きがある。
【2. 今週目立った動き】
26業種 の点灯率を比べたが、偶然では説明できない偏りは見られなかった。
・プライム:買われ過ぎ 28/売られ過ぎ 36
・スタンダード:買われ過ぎ 4/売られ過ぎ 7
・グロース:買われ過ぎ 0/売られ過ぎ 3
点灯した 78銘柄 の直近2営業日の騰落率は平均 -2.6%(-19.3%〜+22.6%) だった。
基準日までの主な開示・報道
(値動きとの因果は検証しておらず、主張しない)
・2026-10-06 セキュアヴェイル(3042・S) — 自己株式の取得結果および取得終了に関するお知らせを公表した(出典:自己株式の取得結果および取得終了に関するお知らせ1)
・2026-10-08 テクマトリックス(3762・P) — 生成AIの品質評価ツール「GENFLUX Evaluation」の販売開始を公表した(出典:生成AI品質評価ツール「GENFLUX Evaluation」を販売開始)
・2026-10-13 テクマトリックス — ランサムウェア対策に特化した「Halcyon」とのディストリビューター契約の締結を公表した(出典:テクマトリックス、ランサムウェア対策に特化した 「Halcyon」 と ディストリビューター契約を締結)
・2026-10-07 フクダ電子(6960・S) — 新しい基準のTOPIX(東証株価指数)の構成銘柄への採用に関するお知らせを公表した(出典:TOPIX(東証株価指数)構成銘柄への採用に関するお知らせ)
・2026-10-15 フクダ電子 — 同社のCPAP(睡眠時無呼吸症候群の治療機器)がグッドデザイン賞を受賞したと公表した(出典:フクダ電子のCPAPがグッドデザイン賞を受賞しました)
・2026-10-01 MWCC(9227・G、旧マイクロ波化学) — NEDOの技術研究開発事業における補助金の交付決定を公表した(出典:NEDO「新エネルギー等のシーズ発掘・事業化に向けた技術研究開発事業」 における補助金の交付決定に関するお知らせ)
・2026-10-01 MWCC — 「MWCC株式会社」への商号変更を公表した(出典:「MWCC株式会社」への商号変更のお知らせ)
上記はセキュアヴェイル・テクマトリックス・フクダ電子・マイクロ波化学(MWCC)に関するものである。名古屋銀行については、基準日までの開示や報道を本稿では確認できていない。
【3. 銘柄別の分析】
| 銘柄 | コード | 終値 | RSI | %B | 20営業日の騰落率 | 日経平均との差 | 長期トレンド | 評価 |
| 名古屋銀行 | 8522 | 6,180円 | 28.9 | ▼0.17 | ▼13.6% | ▼14.2pt | 長期上昇 | 強気 |
| フクダ電子 | 6960 | 10,580円 | 27.1 | ▼0.12 | ▼9.3% | ▼10.0pt | 長期上昇 | 強気 |
| MWCC | 9227 | 670円 | 18.8 | ▼0.14 | ▼19.8% | ▼20.4pt | 長期下降 | 弱気 |
| セキュアヴェイル | 3042 | 800円 | 96.2 | 1.09 | △173.0% | △172.4pt | 長期上昇 | 強気 |
| テクマトリックス | 3762 | 3,240円 | 86.6 | 1.01 | △36.3% | △35.6pt | 長期上昇 | 強気 |
RSI は 70 超、%B は 1 超が買われ過ぎ、RSI 30 未満・%B 0 未満が売られ過ぎの目安。(詳細は【6. 指標の見方】参照)
なお、各銘柄における【次に見るべき水準】の「距離」は基準日の終値からの差。どちらの水準に先に届くかを予測するものではない。
見方が変わる水準に最も近いのはフクダ電子(0.8%下)、最も遠いのはセキュアヴェイル(52.7%下) である。
名古屋銀行(プライム・銀行業)
売られ過ぎが点灯している。長期トレンドは長期上昇で、200日の指数移動平均(EMA200)を 4.0% 上回る。半年前(120営業日前)と比べると +4.2%。直近の出来高は20営業日平均の 1.15倍、売買代金の占有率は 0.011%。
中期の目安となる50日の指数移動平均(EMA50)を 10.3% 下回り、中期下降と判定した。52週高値まで 18.0% の位置にある。現在値に最も近い水準は、下は 6,160円(20日安値)、上は 6,410.5円(ボリンジャー下限(-2σ))。
評価: 強気(短期は売られ過ぎ)
・短期の行き過ぎは、終値が 6,410.5円(ボリンジャー下限(-2σ)) を上回れば解消する。トレンドの見方が変わるわけではない。
・この見方が無効になる条件: 終値が 5,945.3円(EMA200)を2営業日連続で下回った場合、この見方は無効。
【次に見るべき水準】
行き過ぎが解消する水準 6,410.5円/見方が変わる水準 5,945.3円(EMA200)/距離 ▼3.8%
フクダ電子(スタンダード・電気機器)
売られ過ぎが点灯している。長期トレンドは長期上昇で、200日の指数移動平均(EMA200)を 0.8% 上回る。半年前(120営業日前)と比べると +3.5%。直近の出来高は20営業日平均の 0.96倍、売買代金の占有率は 0.012%。
中期の目安となる50日の指数移動平均(EMA50)を 8.8% 下回り、中期下降と判定した。52週高値まで 15.3% の位置にある。現在値に最も近い水準は、下は 10,500円(20日安値)、上は 10,785.3円(ボリンジャー下限(-2σ))。この銘柄に関する開示・報道は第2節に挙げた。
評価: 強気(短期は売られ過ぎ)
・短期の行き過ぎは、終値が 10,785.3円(ボリンジャー下限(-2σ)) を上回れば解消する。トレンドの見方が変わるわけではない。
・この見方が無効になる条件: 終値が 10,497.7円(EMA200)を2営業日連続で下回った場合、この見方は無効。
【次に見るべき水準】
行き過ぎが解消する水準 10,785.3円/見方が変わる水準 10,497.7円(EMA200)/距離 ▼0.8%
MWCC(グロース・サービス業)
売られ過ぎが点灯している。長期トレンドは長期下降で、200日の指数移動平均(EMA200)を 22.9% 下回る。半年前(120営業日前)と比べると -35.8%。直近の出来高は20営業日平均の 1.89倍、売買代金の占有率は 0.002%。
中期の目安となる50日の指数移動平均(EMA50)を 19.3% 下回り、中期下降と判定した。52週高値まで 58.6% の位置にある。現在値に最も近い水準は、下は 661円(20日安値)、上は 696.4円(ボリンジャー下限(-2σ))。この銘柄に関する開示・報道は第2節に挙げた。
評価: 弱気(短期は売られ過ぎ)
・短期の行き過ぎは、終値が 696.4円(ボリンジャー下限(-2σ)) を上回れば解消する。トレンドの見方が変わるわけではない。
・この見方が無効になる条件: 終値が 829.7円(EMA50)を2営業日連続で上回った場合、この見方は無効。
【次に見るべき水準】
行き過ぎが解消する水準 696.4円/見方が変わる水準 829.7円(EMA50)/距離 +23.8%
セキュアヴェイル(スタンダード・情報・通信業)
買われ過ぎが点灯している。長期トレンドは長期上昇で、200日の指数移動平均(EMA200)を 145.9% 上回る。半年前(120営業日前)と比べると +172.1%。直近の出来高は20営業日平均の 3.21倍、売買代金の占有率は 0.022%。
中期の目安となる50日の指数移動平均(EMA50)を 111.3% 上回り、中期上昇と判定した。52週高値まで 13.8% の位置にある。現在値に最も近い水準は、下は 743円(ボリンジャー上限(+2σ))、上は 928円(20日高値・52週高値)。この銘柄に関する開示・報道は第2節に挙げた。
評価: 強気(短期は過熱)
・短期の行き過ぎは、終値が 743円(ボリンジャー上限(+2σ)) を下回れば解消する。トレンドの見方が変わるわけではない。
・この見方が無効になる条件: 終値が 378.5円(EMA50)を2営業日連続で下回った場合、この見方は無効。
【次に見るべき水準】
行き過ぎが解消する水準 743円/見方が変わる水準 378.5円(EMA50)/距離 ▼52.7%
テクマトリックス(プライム・情報・通信業)
買われ過ぎが点灯している。長期トレンドは長期上昇で、200日の指数移動平均(EMA200)を 50.0% 上回る。半年前(120営業日前)と比べると +78.9%。直近の出来高は20営業日平均の 1.42倍、売買代金の占有率は 0.016%。
中期の目安となる50日の指数移動平均(EMA50)を 29.6% 上回り、中期上昇と判定した。52週高値まで 1.2% の位置にある。現在値に最も近い水準は、下は 3,228.9円(ボリンジャー上限(+2σ))、上は 3,280円(20日高値・52週高値)。この銘柄に関する開示・報道は第2節に挙げた。
評価: 強気(短期は過熱)
・短期の行き過ぎは、終値が 3,228.9円(ボリンジャー上限(+2σ)) を下回れば解消する。トレンドの見方が変わるわけではない。
・この見方が無効になる条件: 終値が 2,499.2円(EMA50)を2営業日連続で下回った場合、この見方は無効。
【次に見るべき水準】
行き過ぎが解消する水準 3,228.9円/見方が変わる水準 2,499.2円(EMA50)/距離 ▼22.9%
【4. ボリンジャーバンドの確認】
「ボリンジャーバンドの上限付近(%B 0.9 前後)や下限付近(%B 0.1 前後)に達すると反転しやすい」という見方を、取り上げた銘柄の過去の値動きで確かめた。%B が閾値を越えた日に、5営業日後に反対方向へ動いていた割合を数え、どの日から数えても同じ方向に動いた割合(普段の割合)と並べる。
・名古屋銀行(%B 0.1):閾値を越えた回数 94回/5営業日後に反転 57.4%/普段の割合 53.2%/差 +4.2pt
・フクダ電子(%B 0.1):閾値を越えた回数 95回/5営業日後に反転 57.9%/普段の割合 50.5%/差 +7.4pt
・MWCC(%B 0.1):閾値を越えた回数 53回/5営業日後に反転 39.6%/普段の割合 44.3%/差 -4.7pt
・セキュアヴェイル(%B 0.9):閾値を越えた回数 119回/5営業日後に反転 58.0%/普段の割合 50.0%/差 +8.0pt
・テクマトリックス(%B 0.9):閾値を越えた回数 143回/5営業日後に反転 46.9%/普段の割合 46.8%/差 +0.1pt
確認した 5銘柄 のうち、反転の割合が普段の割合を上回ったのは 4銘柄、下回ったのは 1銘柄 だった。
集計期間は 2016年以降。過去の集計であり、今回も同じ動きになることを示すものではない。
【5. 今週のまとめ:見ておきたいこと】
・指数と個別の銘柄は分けて見る。日経平均は20営業日で +0.65% 動いたが、同じ期間に値上がりした銘柄は全体の 40.4% だった。関心のある銘柄の動きは、日経平均との差で確かめられる。
・短期の行き過ぎが解消する水準は、買われ過ぎの銘柄では現在値の 0.3%〜7.1% 下、売られ過ぎの銘柄では現在値の 1.9%〜3.9% 上にある(第4節)。終値がその水準を越えるかどうかが、行き過ぎが収まったかを見る一つの目安になる。
・見方そのものが変わるのは、終値がEMA200・EMA50を2営業日続けて割り込む(弱気の銘柄は上回る)とき。その水準は現在値から 0.8%〜52.7% 離れている。行き過ぎが収まることと、トレンドの見方が変わることは別である。
本稿は売買の判断を示さない。上の水準は、ご自身で判断するための材料として使っていただきたい。
【6. 指標の見方】
・RSI — 一定期間(本稿は14営業日)の値上がり幅と値下がり幅の比率から、買われ過ぎ・売られ過ぎを0〜100で表す。
・ストキャスティクス — 直近の高値と安値の幅の中で、いまの株価がどの位置にあるかを0〜100で表す。
・ボリンジャーバンドと%B — 20営業日の移動平均の上下に、値動きのばらつき(標準偏差)の2倍の帯を引いたもの。%B は帯の中での位置で、帯の上限ちょうどが1、下限ちょうどが0。1を超えると帯の上に飛び出している。
・移動平均(EMA) — 過去の終値の平均で、直近の値ほど重く扱う。本稿は50日(中期)と200日(長期)を使い、株価がその上にあるか下にあるか、平均そのものが上向きか下向きかでトレンドを判定する。
・3つの指標の関係 — RSI・ストキャスティクス・%B は、いずれも値動きの行き過ぎを測る指標で、互いに強く連動する(当研究室の測定では RSI と直近1ヶ月の騰落率の順位相関は -0.89)。本稿は3つがそろって振り切れた銘柄だけを「点灯」としている。確度を上げるためではなく、境界付近の銘柄を除くためである。
・長期トレンド — 終値と200日の指数移動平均(EMA200)の位置と、その傾きで判定している。評価(強気・中立・弱気)はこれで決める。
・日経平均との差 — 同じ期間の騰落率の差(ポイント)。
・売買代金の占有率 — 分析した全銘柄の売買代金の合計に対する、その銘柄の割合。
【7. リスクと留意点】
・数値はすべて日足の終値から算出しており、日中の値動きは考慮していない。上場廃止となった銘柄は含まれていない。
・当研究室の検証では、テクニカル指標による銘柄の順位付けはベンチマークを 7.4% 下回った。指標の点灯は収益を予測するものではない。
・逆張りの傾向は測定できているが、その優位は売買コストで消える水準であり、短期売買の根拠にはならない。
・点灯は編集上の注目度の目安であり、収益を予測する検証済みの指標ではない。当研究室の検証では、この種の指標による銘柄の順位付けは、でたらめに選ぶのと区別がつかなかった。
点灯した銘柄(78銘柄)。行き過ぎの度合いが大きい順に挙げる。掲載していない銘柄も同じ条件を満たしている。
・買われ過ぎ(32銘柄)
セキュアヴェイル(RSI 96.2)、ショーケース(3909・S)(RSI 96.2)、HEROZ(4382・S)(RSI 91.3)、テクマトリックス(RSI 86.6)、大塚商会(4768・P)(RSI 82.1)、ミロク情報サービス(4768・P)(RSI 81.5)、MonotaRO(3064・P)(RSI 79.5)、JBCCホールディングス(9889・P)(RSI 78.7)、オービック(4684・P)(RSI 78.6)、カーブスホールディングス(7085・P)(RSI 77.4)、ほか 22銘柄
・売られ過ぎ(46銘柄)
IDOM(7599・P)(RSI 14.8)、沖縄セルラー電話(9436・S)(RSI 16.7)、大黒天物産(2791・P)(RSI 17.6)、MWCC(RSI 18.8)、ジャパンディスプレイ(6740・P)(RSI 23.1)、川崎重工業(7012・P)(RSI 23.3)、テスホールディングス(5074・P)(RSI 23.5)、サンケン電気(6707・P)(RSI 24.1)、三菱化工機(6331・P)(RSI 24.6)、千代田化工建設(6366・S)(RSI 25.6)、ほか 36銘柄
本稿は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。





