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銘柄・相場情報2023年2月2日

企業がわかる!! IR(投資家向け広報)事例紹介:メニコン(7780・P)

世界初の株価連動型ポイントを使った「ココカブ」導入、130万人超のユーザーを「ファン」「投資家」へ

すっかり日常生活に溶け込む「ポイント」。これを使ってユーザーを「ファン」に、ひいては「投資家」へ育成することを目指すメニコンの取り組み、その詳細を聞いた。

さかのぼること約2年。メニコンは2020年12月にユーザー向け会員サイトClub Menicon(以下クラブメニコン)をオープン。同時に自社ポイントMENICOiN(以下メニコイン)の発行も開始した。

それまでの会員サイトは毎月の定額料金だけでコンタクトが利用できる「メルスプラン」のユーザー、つまり、メニコンのコアなユーザーが対象だった。一方のクラブメニコンは、Eメールアドレスがあれば誰でも登録できる上に、メニコンの商品を購入せずとも、動画を観たりアンケートに回答するだけでメニコインが発行される。

メニコインは専用アプリ上で1COiN当たり最大1円相当の、いわゆる共通ポイントと交換したり、コンビニエンスストアに並ぶドリンクやスイーツなどに交換することができるポイントだが、そんな交換先ラインアップに昨年11月に「株」が加わった。

現物株への交換も可能
メニコンが導入した「ココカブ」は1月20日付小紙で紹介したSTOCK POINT社が手掛けるサービス。ポイントを現物株の値動きに連動させる世界初のしくみを使ってメニコンの株価と連動させる。

クラブメニコンのアプリ画面から「ポイントを使う」を選択して「メニコイン交換」をクリックすると、STOCK POINT側の画面に切り替わり、数量を選択して「交換する」をクリックすれば、ポイントがメニコンの株価と連動する「メニコンココカブ」に変わる。さらに証券口座の開設を済ませておけばココカブポイントをメニコンの現物株に交換することもできる。

IRの新潮流を「先取り」
クラブメニコンやメニコイン、各種サービス導入の背景には「ユーザーとのつながりを強固に、継続的に」といった企業側の想いがある。そんな「つながり」の中には「株主」という存在もあり、メニコンはココカブの導入で、株主への“新しい入口”を準備したかっこうだ。

既存株主に対しては優待制度を設けて自社製品を贈呈するなどコミュニケーションはとれている。商品ユーザーに対しては先述の通りアプリでつながっている。今後はココカブによって新たに「ポイント運用」という新しい切り口からメニコンの存在を知った人にアプローチできるようになり、加えて、このような先進的な取り組みそのものが積極的なIRとして株式市場で大いに評価される可能性もある。

多様なユーザーとコミュニケーション
コンタクトレンズは「無関心」商材といわれる。ユーザーが違いなどを積極的に比較検討することが少ないコンタクトレンズを通じてメニコンがユーザーと密な関心を取り続けることはむずかしい。しかし「株価」は毎日動く。メニコンココカブ保有者は増減が気になり、その原因となる株価を動かす業績、あるいは、メニコンがペット向けコンタクトレンズやサプリメントを手掛けていることを知るなど、企業そのものへの興味関心が高まる可能性もある。

ちなみにコンタクトレンズのユーザーは20歳~30歳代の女性が多く、デビューは中学生の場合もある。ポイント運用は未成年でも可能であり、そんな“投資家予備軍”を抱えている点も非常に興味深い。
ココカブ導入から約2カ月が経過。メニコインをメニコンココカブに交換したユーザーは既に確認されているといい、メニコン側はキャンペーンなど企画を立ち上げながらユーザーをさらに増やしていく意向だ。

1951年創業、「創造」「独創」「挑戦」を経営理念に掲げるメニコン。米国人から伝え聞くのみで現物はおろか写真さえ見たことがなかったコンタクトレンズを想像しつつゼロから独学で研究、日本初の角膜コンタクトレンズの開発に成功した、創業者で現在は会長の田中恭一氏の精神はIRにも脈々と受け継がれている。

「StockPoint」サービスなど詳細については1月20日付に掲載した開発者、STOCKPOINT土屋清美代表取締役社長へのインタビュー記事を参照のこと。