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コラム2021年3月19日

強い相場の象徴 二つの+3%以上 市場分析士 荒野浩

コロナ禍で記録した安値から1年が経過しました。この1年で、数年に一度あるかないかの強い相場を我々は2回経験しています。1度目は3月安値から6月8日戻り高値までの52日、6,625円の上げであり、2度目は10月末安値から、2月16日高値まで71日、7,107円の上げです(終値ベース)。どちらも7回の台替わりを達成しています。めったに起こらない値動きであり、それを1年で2回記録したということは常識的にはあり得ない強さです。

相場の勢いを示す「モメンタム」は20日平均の20日前比較で測ります。20日平均の20日前比が「プラス」なら、堅調相場、常に押し目買い。「マイナス」なら、軟調相場ということになります。昨年4月から、「プラス」期間(4月24日~3月19日)が続いています。下がりにくい相場が継続していることになります。

強い相場の証、1つ目の+3%はこの20日平均の20日前比が+3%を上回っていた期間です。この1年で+3%を上回っていたのは(5月1日~7月9日)47日、(11月17日~1月5日)34日、(1月14日~3月15日)41日です。

もう1つの+3%は終値の対20日平均に対する乖離(かいり)率です。過去1年で、+3%以上の乖離率は(4~6月)と(11月~2月)の2場面に集中しています。(対20日平均、+3%以上)4月7日~6月11日=44日中33日、11月6日~2月25日=74日中42日。

上値を追う勢いがあるときは(20日平均の20日前比)と(20日平均に対する乖離率)が+3%以上を記録しています。足下ではともに+3%を割り込んできていますが。

足下の調整は短期で抜け出しました。上値を追う勢いが戻ってくるかどうかが注目されます。3月期末特有の膠着(こうちゃく)相場が懸念されますが、相場は一度の大幅高で、局面が大きく変わることもあり、強い相場に復することが期待される場面です。