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IPO2019年11月27日

新規上場紹介 ファンペップ 12月20日、マザーズ 大阪大学発ペプチド系創薬ベンチャー

ファンペップ(4881)が12月20日、マザーズに新規上場する。

同社は大阪大学大学院の研究成果である機能性ペプチドの研究開発を進め、医薬品、化粧品などに実用化することを目的に設立された創薬系バイオベンチャー。

研究開発パイプラインは、①AG-30由来の機能性ペプチド(SR-0379)②抗体誘導ペプチド(FPP003、FPP004)③抗ウイルス剤――の3つに分類される。

中でAG-30は血管新生作用を有し、さらに抗菌活性を併せ持つ。これを改変して生体内での安定性や製造コストを改良した化合物のSR-0379は難治性皮膚潰瘍が対象疾患。難治性皮膚潰瘍には褥瘡(いわゆる床ずれ)、糖尿病を合併する糖尿病性潰瘍(糖尿病患者の5~10%程度が発病)などがあり、患者数が多い。

SR-0379は2015年10月に塩野義製薬(4507)に導出し、全世界における独占的研究開発・商業化権を供与。塩野義が実施した日本での褥瘡(じょくそう)、糖尿病性皮膚潰瘍(かいよう)を対象にした第2相臨床試験は終了。次相臨床試験の準備が進んでいる。

このほか、FFP003Fは大日本住友製薬(4506)とオプション契約を締結し、乾癬(かんせん)を対象に豪州で第1相および第2相a臨床試験を実施中。FPP004は花粉症(季節性アレルギー鼻炎)を対象に前臨床試験段階にある。

また、抗体誘導ペプチドの研究では大日本住友製薬と精神神経領域、塩野義製薬とは疼痛領域で提携。富士フイルムとは抗ウイルス剤の研究で提携関係にある。

化粧品ではファンケル(4921)と共同研究開発を行い、機能性ペプチドを含有するシャンプーとして18年に「マイルドクレンジングシャンプー」、「ボリュームアップシャンプー」が発売された。これら商品販売により同社はペプチド原薬販売収入を受領している。上場に伴う公募増資で得た資金はFPP003、FPP004および新規開発品の開発費に充てる。

概要

●事業内容=機能性ペプチドを用いた医薬品などの研究開発事業
●本社(最寄りの連絡場所)=東京都渋谷区千駄木5-8-4
●代表者=平井昭光代表取締役社長
●設立=2013年10月
●上場前資本金=6億3,454万円
●発行済み株式数=1,611万9,300株(上場時)
●筆頭株主=森下竜一(上場前15.87%)
●公募株式数=450万5,000株
●売出株式数=67万5,000株(オーバーアロットメントによる売出)
●仮条件=12月2日に決定
●ブックビル期間=12月4日から10日まで
●引受証券=みずほ(主幹事)、SMBC日興、SBI、いちよし、エース、藍澤、岩井コスモ、東洋、極東、水戸

業績推移(単体)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2017.12 101 ▲193 ▲18.26
2018.12 355 ▲8 ▲1.06
2019.12(予) 301 ▲279 ▲23.94
※単位100万円、1株利益は円、▲は赤字

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