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IPO2019年9月4日

新規上場紹介 HPCシステムズ 9月26日、マザーズ 高性能コンピューターの展開が柱

HPCシステムズ(6597)が9月26日、マザーズに新規上場する。

科学技術計算用コンピューターに関連するソリューションの提供(HPC事業)と、産業用コンピューターの開発、製造、販売(CTO事業)を行っている。

科学技術計算用コンピューターは、高性能コンピューターを駆使して科学技術における問題を計算によって解決する計算科学という分野で使用される。同社は計算科学の手法を用いて「理論化学」の問題を取り扱う「計算化学」という分野に強みを持ち、なかでもライフサイエンス(生命科学)とマテリアルサイエンス(材料科学)分野を重点事業領域と位置づけている。

HPC事業は、科学技術計算向けのHPシステム販売やクラウドサービスの提供、計算化学分野などへのソフトウエアの販売を行っている。従来の大学研究室や公的研究機関からの受注を確保しつつ、民間企業の研究所・R&D(研究開発)センターなどで実施されている大規模・高精度な科学技術計算向け高性能計算機の拡販を強化して受注につなげている。最近では、高性能コンピューター(HPC)とビッグデータやAIが融合し、理論計算からデータ分析、機械学習、理論計算といった機能を実現できるシステムの導入が進んでいる。同社では重要な社会インフラへのHPCの適用事例となる5G(第5世代移動通信システム)技術、コネクテッドカーに関する研究開発活動のニーズを支える技術者集団として参画している。

CTO事業での産業用コンピューターは顧客の要望に応じた設計を行い、最適部品を選定・調達して生産を行う。加えて、同一システム(設備)を長期間使用する顧客に対しては国内外の電子部品メーカーとサプライチェーンを築き、カスタム要素の強い同一仕様の産業用コンピューターの長期安定供給を実現。保守サービスにもきめ細かく対応している。半導体検査装置、医療装置、アミューズメント機器向けの既存顧客の受注継続に努めるほか、画像処理、ディープラーニング(深層学習)、スマートファクトリーなどを戦略分野と定めている。展示会への積極出展などを通じ、新規顧客の獲得に注力している。

2020年6月期の業績予想は、売上高57億8,500万円(19年6月期の実績見込みに比べて7.2%増)、経常利益4億5,700万円(同24.7%増)。売上高のうちHPC事業は40億2,500万円(同6.3%増)、CTO事業は17億6,000万円(同9.4%増)。

概要

●事業内容=科学・工学向け高性能コンピュータのソリューション提供
●本社=東京都港区海岸3-9-15
●代表者=小野鉄平代表取締役
●設立=2006年3月
●上場前資本金=1億5,300万円
●発行済み株式数=409万株(上場時)
●筆頭株主=TKTH投資事業有限責任組合(上場前70.1%)
●公募株式数=5万株
●売出株式数=273万1,400株(このほかオーバーアロットメントで41万7,100株)
●仮条件=9月6日に決定
●ブックビル期間=9月9日から13日まで
●引受証券=SMBC日興(主幹事)、SBI、みずほ、東海東京、むさし、岩井コスモ

業績推移(単体)

売上高 経常利益 1株利益 配当
2018.6 3,900 254 40.34
2019.6(見込み) 4,053 291 46.99
2020.6(予) 5,785 457 75.73
※単位100万円、1株利益は円

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