株価は「最悪シナリオ」織り込む
注目は国策3業種「メタバース」「ブロックチェーン」「量子コンピュータ」
足元の相場は荒れています。しかし春はいつもそうです。この季節はいつも「花冷え」しますし「花曇り」もあります。「春の嵐」という言葉もあります。ただ、いずれは初夏の薫風が吹く。それを期待して、今は銘柄を見定めた「突っ込み買い」、あるいは「売り買い休みの3筋道」、つまり「休む」も選択肢に入れながら、というスタンスが重要です。
【為替/ドル円は129円でピークアウト】
日経平均の「大揺れ」はおそらく5月6月には止まります。セルインメイという言葉がありますけれども、さほど心配することはないでしょう。
為替も大きく動いていますが、これもピークアウトしたものと考えます。円安の要因を日米の金利差と解説する人がいますが、完全に「需給」によるものです。円安は、そもそもは日本政府の成長戦略のなさによるものではありますが、取りあえず足元については先日付けた129円40銭でピークアウトしたと考えています。
理由は2つあり、1つは「10兆円大学ファンド」。運用益で研究費を賄うというファンドが円で組成されたのですが、これが4月初めにドルに変えられた。大規模な円売り・ドル買いが国策として実施されたわけですが、これはもう終わりました。
2つ目が「輸出業者による損切」。円安が急加速する中、この流れに遅れまいと輸出業者が見境なく円売りドル買いを行いました。「利食いは抱えて、損切りは早目」にという相場哲学の通りに、円を一気に猛烈に売った影響が出ているのです。
米国の長期金利もピークアウトしたと考えます。「これからも連続して利上げをすると言っているのに?」と訝しがる声が聞こえてきそうですが、政策金利と市中金利は別物です。引きずられはするものの、FRB(米連邦準備制度理事会)ウオッチャーが言うところの今年の利上げ幅が2.75%で、既にそれを超えていることから、私は、長期金利はもう十分な水準に来ているのではないか、5月3日、4日のFOMC(米連邦公開市場委員会)が過ぎれば落ち着くのではないかとみています。
【日経平均/底入れを期待したいが…】
日経平均は3月9日に2万5,000円割れまで売り込まれました。実態は悪くないのに、です。マーケットでは企業業績について2023年3月期は間違いなく減益になると予想していましたが、フタを開けると、米国は1~3月5%増益でしたし、日本は、日経平均株価の予想ベース1株当たり利益でいうと昨日(4月21日)現在で29.4%増益です。
3割も増益しているのに、なぜ毎日のように大幅下落するのか? これも需給。東証による市場再編後は指数がザラバ中には更新されなかったりと、機関投資家がヘッジする術を持てないでいる。だから円を売るしかない――などとうがった見方もできてしまうわけです。プライム市場に残るも条件を満たさず猶予期間を設定されている企業があったりしますから、市場再編の余波は残念ながら当面続くものと思われます。
米国では国策3業種、エネルギーと農業と防衛を中心に関連銘柄が絶好調ですが、これを日本に置き換えると「メタバース」「ブロックチェーン」「量子コンピュータ」になります。
いわゆる「ウェブ3.0」におけるキーテクノロジー、ハイテクの中でもここを細かく対応して生きていこうというのが日本の直近の成長戦略になります。株式市場でも関連銘柄、足元ではメタバースというワードが付いた銘柄が大きく動くといったことが起きています。
※本稿は4月22日に日本証券新聞が開催した個人投資家向けセミナーでの杉村富生氏の講演内容を抜粋したものです。セミナーでは杉村氏が注目するテーマや個別銘柄なども語られています。日本証券新聞のセミナーは全国で不定期開催しております。事前申込不要。参加無料。今後の開催予定につきましては「日本証券新聞Digital版」をご覧ください。
