ビジネスモデルの変革にらむ
朝方は堅調にスタートした週明けの東京株式市場だったが、韓国市場でAI関連株が下落した流れを受け、日経平均株価は一時1,900円を超える下げとなった。AIブームの持続性に対する警戒ムードがくすぶるなか、底堅い動きを見せているのが銀行株セクター。有力地銀に高値更新が相次いだほか、3メガや大手行にも年初来高値、最高値を更新する銘柄が続出した。
銀行株上昇の背景にあるのが、日銀の追加利上げによる収益の改善期待だ。6月の政策決定会合では政策金利が1.0%に引き上げられたが、証券各社の銀行株推奨レポートなどでは追加利上げが継続するとの見方が多い。
10日には野村証券が主要銀行セクターに対し「強気」スタンスを継続するリポートを発行。主要銀行のPBR(2026年3月期実績)は足元で1.1~1.6倍で推移しており、今後の収益性改善を勘案すると割安感を残していると指摘。次回の日銀利上げタイミングについて26年冬ごろ(メインシナリオ26年12月)と想定、その後も米経済や市場などに変調がなければ、債券・金利市場で織り込まれている1.50~1.75%程度のターミナルレートに向けて緩やかな利上げサイクルが継続すると予想している。
レポートでは銀行株の材料として内外金融政策見通し、株主還元強化が引き続き注目されるとし、①資本政策・株主還元策、特にROE(自己資本利益率)向上とEPS(1株利益)成長加速に資するキャピタルマネジメント②貸出増加などリスクアセット増加への対応姿勢③中期経営計画策定などによる成長戦略などを具体的な注目点として挙げている。
さらに野村では国内貸し出しの伸びが、大企業向けを中心に2ケタ近い伸びを示している点に注目。中長期的には米国で起きたようなDis―intermediation(直接金融へのシフト)進展を通じ、日本の金融システムのありようを変える可能性があるとみる。日本の金融経済・社会の構造変化が中長期的には銀行のビジネスモデル変革を促すと予想。
個別では三井住友FG(8316・P)の投資判断「Buy」を継続、目標株価を8,400円(従来6,500円)とした。経費管理が堅確な上に国内預貸金業務が好調、かつ資本蓄積と株主還元強化が引き続き期待できるとしてトップピックとして推奨。26年3月期決算で好実態を確認、中長期業績予想を引き上げ方向で修正、27年3月期の親会社株主利益は会社計画を上回ると予想。28年3期以降はOlive事業など新規事業の本格的な収益刈り取りフェーズ入りとアジア事業の収支改善なども業績に寄与するとみている。
三菱UFJFG(8306・P)とみずほFG(8411・P)も、より中長期の投資視点から「Buy」で注目。みずほについては目標株価を9,000円(同7,200円)とした。他メガバンクと比べてもCIB(コーポレート&インベストメント・バンキング)業務基盤が強いこと、国内エクスポージャーが相対的に大きいことなどは、固有の好材料とみている。

