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コラム2026年8月14日

【速報版】竹中三佳の株Catch one’s eye Part.621 戸田建設、重点事業に洋上風力

国内初「浮体式」が本格稼働

私が生まれた長崎県五島列島の福江島。その崎山漁港沖およそ7キロメートルに、8基の巨大な風車が浮かんでいます。今年1月5日、複数基からなる商用の浮体式洋上ウィンドファームとして国内で初めて、そして再エネ海域利用法第1号案件として「五島洋上ウィンドファーム」が営業運転を開始しました。

海底に固定せず、海中の重しでバランスを取り、チェーンとアンカーで海底に係留する浮体式洋上風力です。総出力は1万6,800キロワット(2,100キロワット×8基)。資源エネルギー庁によれば一般家庭約1万4,400世帯分の年間使用電力量に相当します。故郷の海に、新しいエネルギー技術が根付いたことを実感しました。

この事業をけん引するのが戸田建設(1860・P)です。同社は2007年から約20年をかけ、円筒下部をコンクリート製とした世界初の「ハイブリッドスパー型浮体」を開発。鋼材使用量を抑えられる上、コンクリートは離島でも調達しやすく、地域の建設会社も施工に参加できます。実証では海洋環境への影響も小さいことが確認され、海中部分には海藻やサンゴが付着し、魚が集まることでの魚礁効果も期待されています。8基の風車には地元の小中学生が名付け親となりました。

同社は中期経営計画2027で洋上風力を重点事業に位置付け、大型・量産型浮体の開発を進めています。政府も40年までに浮体式で15ギガワット以上の案件形成を目標に掲げており、事業環境は追い風です。また五島洋上ウィンドファームはFIT制度(固定価格買取制度)の対象で、20年間・36円/キロワットアワーの固定価格で売電できることも、収益の安定性を支えます。

もっとも、五島では浮体設備の不具合で営業運転開始が約2年遅れ、量産化やコスト低減もこれからの課題です。前26年3月期の純利益は約370億円と大幅増益でしたが、収益を支えたのは建築事業と資産売却益で、洋上風力の利益貢献はなお限定的です。今後は、五島で培った技術を他地域へ横展開し、持続的な利益へ結び付けられるのか。日本の浮体式洋上風力の先頭を走る戸田建設に注目しています。

竹中三佳さんのプロフィール

タレント、リポーター、モデル。ホリプロアナウンス室所属。明るく誠実でファッショナブルなキャラクターでTVやラジオ、CMなどで活躍。

※速報版は最終的な校了前の紙面記事です。今後、修正等が入る場合があります。

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