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コラム2021年10月15日

【本日のマーケット】10月15日(金)週末版 鈴木一之氏特別寄稿

10月15日(金)のマーケット                                                                   

前日の米国株式市場でNYダウは5日ぶりに大幅反発。週間の米新規失業保険申請件数が前週比3万6千件減少し、29万3千件となり、市場予想の31万6千件を下回った。また、9月の卸売物価指数は前月比0.5%上昇で、市場予想の0.6%上昇を下回ったたため、インフレ懸念が緩和した。NYダウは前日比534ドル(1.56%)高の34,912ドル。ナスダックは大幅続伸。モデルナは食品医薬品局(FDA)の諮問委員会が、65歳以上の高齢者や18歳以上で基礎疾患のある人、職業上の理由などで感染リスクが高い人を対象にしたモデルナ製新型コロナウイルスワクチンのブースター(追加免疫)接種推奨を全会一致で支持したことで買われた。NASDAQ総合指数は前日比251ポイント(1.73%)高の14,823ポイント。S&P500指数は前日比74ポイント(1.71%)高の4,438。

本日の東京市場は、米国市場の大幅上昇を受けて続伸スタート。ギャップアップとなり、寄付きから200日移動平均線(2万8,744円)を上抜け。台湾TSMCの半導体工場建設を足掛かりに半導体製造装置の東京エレクトロンとレーザーテックも買われ、日経平均の上昇に寄与。その後も上昇幅を拡大し、114円台となった為替同動向も追い風となり、14時過ぎからかは2万9000円台回復となった。大引けの日経平均は517円高の2万9,068円。売買代金は2兆8,420億円。TOPIXは36ポイント高の2,023ポイント。

新興市場も共に続伸。JASDAQでは再生可能エネルギー関連のウエストHDが買われ、半導体関連のシキノハイテックが大幅高。一方で、セリアや3Dマトリックス、川崎地質は下落。マザーズ指数も2.5%超の大幅続伸。メルカリが反発し、オキサイドは業績上方修正と資本業務提携を発表しストップ高。チームスピリットは大幅続伸。対して、グローバルウェイは反落し、UUUMは今期の業績悪化予想で急落。

日足チャート上では、本日の大幅上昇で一気に200日移動平均線(2万8,744円)を上抜け、大引けで2万9000円回復。今週の水曜日には、9月17日以来のパラボリック陽転も示現。一目均衡表の雲抜け(2万8,729円)も達成となり、景色も一変。週足では先週下抜けた13週・26週移動平均線を上抜け。来週は戻りを試す局面か。TOPIX日足チャートでは、大きくギャップアップとなり節目の2000ポイントに到達。

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★☆★ 《特別寄稿》鈴木一之 スズカズ・アイ ★☆★
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鈴木一之です。株式市場は前の週に記録した日経平均の8日続落から、今週は週の後半にかなり持ち直しました。このまま勢いを取り戻すことができるのか、市場参加者は固唾をのんで見守っています。

石炭価格の高騰は世界経済の先行きに暗雲をもたらしています。温暖化ガスの排出量の多い石炭を回避した結果、石炭火力発電の稼働が落ちて、それが電力不足につながっています。代替燃料となるLNGの価格高騰も深刻です。

最近は景気の鈍化とインフレが共存する「スタグフレーション」という経済用語を耳にする機会がぐっと増えましたが、足元で起こっている数々の変化によって、今週は株式市場に向かって再び資金が戻ってくる兆しが見られました。小型グロース株が急速に息を吹き返しています。

2月/8月決算の小売企業の決算発表を見ると、コロナ禍からの経済再開が進んでいる様子がうかがえます。前年度に「巣ごもり消費」の恩恵を受けた企業が伸び悩み、反対に厳しい状況を強いられた企業のリカバリーが目立ちました。

各社各様にここからの成長に向けて新たな事業計画を打ち出しています。不透明要素はまだ強いのですが、そのような企業を見つけ出してしっかり評価してゆきたいものです。

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【2020年10月1日 東証終日売買停止から早1年 PTS本格普及への道
日本証券新聞10月18日(月)紙面1面TOP記事掲載 

市場代替へ当局もサポート ジャパンネクスト証券・山田正勝CEO語る

早いもので昨年10月1日の東証システムダウン(終日売買停止)から既に1年が経過した。当時、東証の立ち会いが途絶えた中で一躍脚光を浴びたのがPTS(私設取引システム)だ。PTS最大手、ジャパンネクスト証券の山田正勝CEO(最高経営責任者、写真)は14日、PTSの現状や市場環境などについてメディア関係者向けウェブセミナーを開催した。発言内容のうち興味深かった部分を以下のようにまとめた。

「PTSは1998年の証券取引法改正で市場集中義務が撤廃されて法的に認められたが、当初は売買が伸びず、8社が参入したものの、現在は当社とチャイエックス・ジャパンの2社のみとなった。その後は徐々に規制緩和が進み、特に2019年8月の信用取引解禁を境に売買が急増。当社の場合、1日1,000億円出来るかどうかだったのが、多い日は4,000億円を超えるまでになった。PTSのマーケットシェアも2社合わせて10%を上回ってきた」

「東証の売買代金を時間帯別で見ると、パッシブ化の影響から寄り付きが5.50%、大引けでは14.04%に達する。東証とは価格決定方式の異なるPTSはオークション方式を採用していないので、寄りや引けはシェアが低くなる(正式な「終値」として認められるかなどの問題が残るため)。逆にザラバ中は15~20%に達することもある」

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今日の市況概況
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10月15日(金)☆[概況/大引け] 

2万9,000円回復。米国株高と114円台の円安、TSMCの新工場建設による恩恵期待。米大統領がLA港24時間フル稼働表明で海運も高い

大引けの日経平均は517円高の2万9,068円、TOPIXは36ポイント高の2,023ポイント。東証1部の値上がり銘柄数は1,989、値下がり銘柄数は155。出来高は11億4,320万株、売買代金は2兆8,420億円。
日経平均は続伸。米国株高と1ドル=114円台の円安を好感。

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