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IPO2015年2月20日

IPO社長会見 ALBERT(3906) ビッグデータ解析の潜在ニーズ大きい

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ALBERT(3906)が19日、マザーズに新規上場した。公開価格の2.2倍となる6040円で初値を形成し、20日も大幅続伸してストップ高まで買われた。上場当日の記者会見で上村崇代表取締役社長=写真=は次のように語った。

データ活用を双方向で支援…企業においてビッグデータを蓄積し、これを解析することで顧客向けメール配信など、有効なマーケティング施策を自動的に実行するシステム「マーケティングプラットフォーム」を提供する。加えて、ビッグデータの活用方法が分からない企業向けに具体策を示す「アナリティクス(解析)コンサルティング」サービスも手掛ける。矢野経済研究所によればビッグデータ市場は2014年の1444億円から、20年には3422億円へと拡大することが見込まれている。一方で、企業にビッグデータ活用の目的を聞いたところ「分からない」との回答が2割を超えるなど、データ活用が十分に行われていないのが実情。このような黎明(れいめい)期ゆえ、システム導入とデータ活用の双方向で支援する当社の潜在ニーズは非常に大きいと考える。

柔軟性に富む独自システム…統計数理研究所の出身者など、統計学的なバックグラウンドを持つメンバーが集結した当社は、高度な分析技術を有していることが強み。加えて、すべてのシステムを独自開発するなど、エンジニアリング領域における技術力の高さも備えている。これまで国内のアナリティクス領域は複数サービスがパッケージ化された海外製品を利用するケースが多かったが、当社システムを利用すれば必要部分だけを導入するなどカスタマイズ性が高く、クラウドサービスとして提供するため原価低減効果も高い。

CRMから「広告」領域まで…これまでビッグデータはCRM(顧客関係管理)領域での活用がメーンだったが、当社では広告領域にも用途を広げている。国内最大リサーチ会社のインテージ(4326)、NTTドコモ(9437)子会社のドコモ・インサイトマーケティングとこの領域で業務提携するほか、ネット広告ベンチャーのフリークアウト(6094・東マ)ともサービス連携を開始した。既存領域を深耕しつつ、広告など新領域の拡大に注力するべく、今回の調達資金は「優秀な人材」の確保・維持に充当する。

<記者の目>
新領域には広告のほかIoT(Internet of Things)分野など興味深い取り組みも。既に自動運転車における走行データ分析でのシステム提供実績があるようだ。今期の経常利益は12%増と、3倍増した前期からの鈍化を見込むが、「確度の高い計画を立てた結果」(上村社長)としている。(Y)

[本紙2月23日付2面]

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