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IPO2015年5月25日

☆新規上場紹介 ヘリオス(4593) 6月16日、マザーズ。iPS細胞関連バイオベンチャー

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ヘリオス(4593)が6月16日、マザーズに新規上場する。

同社の鍵本忠尚社長はもともと眼科医。九州大学で眼科医として患者と向き合う中で、現代の医療技術をもってしても根治できない加齢黄斑変性を治したいとの思いを抱き、創薬の世界に転身。日本発の技術をもとに開発した新しい眼科手術補助剤の販売実績がきっかけとなって、理化学研究所が中心となり研究を進めるiPS細胞を用いた加齢黄斑変性の新たな治療法の実用化を担うことになり、2011年に同社を設立した。

現在、iPS細胞から分化誘導した網膜色素上皮細胞(RPE細胞)を製剤化し、網膜の難病「加齢黄斑変性」の患者に投与するための治療法と、安全で効率的な生産方法の確立に向け研究開発を進めており、日米で前臨床段階にある。既に効率的な培養方法は、理化学研究所の髙橋政代氏らが中心になって考案したRPE細胞に関する知見を基に開発した同社独自のノウハウにより確立済み。提携先の大日本住友製薬(4506)と共同開発を行っており、iPS細胞由来のRPE細胞移植による加齢黄斑変性の新たな治療法で、世界で第1号の承認取得を目指している。

iPS細胞由来の再生医薬品は、老化などにより機能不全に陥った細胞を、iPS細胞から作製した健康な細胞に置き換え、機能回復を図るもの。臓器移植に近似する治療効果が期待できることが、従来の医薬品と大きく異なる。14年10月から横浜市立大学とヒト臓器に関する共同研究も開始。将来的には肝臓や腎臓などの機能回復を目的としたパイプライン拡充も模索する。

このほか、化合物医薬品分野の眼科手術補助剤も手掛ける。サブライセンスをDORC社に付与し、EU(欧州連合)加盟国で製造・販売している。日本市場向けはわかもと製薬(4512)にサブライセンスを付与しており、第3相臨床試験段階にある。

なお、社名のヘリオスは、Helios(ギリシャ神話の太陽の神)とHeal(癒す、治す)の2つの言葉から構成され、難治性疾患治療の新たな希望の光と、疾患に侵された患者を癒していきたいという願いが込められている。(Q)

概 要
事業内容眼科手術用染色剤の開発・販売、iPS細胞由来網膜色素上皮細胞の再生医療用途の研究・開発・製造
本社東京都港区浜松町 2-4-1
代表者鍵本忠尚
設立2011年2月
上場前資本金15億3,350万円
発行済株式数(上場時)4,377万7,000株
筆頭株主鍵本忠尚(上場前77.23%)
公募株式数6,060,000株[当初10,100,000株]
売出株式数0株(オーバアロットメント 909,000株[当初1,515,000株])
初値1,470円(22.5%高)
公開価格1,200円(6/4)
ブックビル仮条件1,100~1,200円(5/26)
ブックビル期間5月28日~6月3日
引受証券野村(主幹事)、みずほ、大和、SMBC日興、三菱UFJモルガン・スタンレー、JPモルガン、エース、SBI、ふくおか、西日本シティTT

業績推移
売上高経常利益1株利益配当
2013/12500百万円179百万円2円-円
2014/12279百万円△476百万円-円-円
2015/12(予想)73百万円△1,588百万円-円-円

[本紙5月26日付2面]

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