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IPO2015年6月18日

☆新規上場紹介 富士山マガジンサービ(3138) 7月7日、マザーズ。国内最大級の雑誌定期購読サイト運営

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富士山マガジンサービス(3138)が7月7日、マザーズに新規上場する。

同社は、国内最大級の雑誌定期購読サイト「Fujisan.co.jp」を運営するネット書店。あらゆるジャンルの雑誌1万誌超(4月末で紙媒体1万250誌、デジタル媒体2,584誌)を扱い、①購読者からの注文を出版社に取り次ぎ、購入代金の請求・回収を行う取次サービス、②販売部数拡大の企画立案、デジタル雑誌化、注文取り次ぎ、梱包・配送業務、カスタマーサポートなどを出版社から丸ごと請け負う丸請サービス――を提供している。

原則的に自社で在庫を持たず、取扱高に応じて出版社から業務手数料を得ている。参考までに、前2014年12月期は取扱高60億4,100万円に対し、売上高19億4,100万円で、同社の取り分は取扱高の32%となっている。

総登録ユーザー数は2015年4月末現在で約197万人。月末時点で定期購読を継続しているユーザーおよび当月内に雑誌を購読したユーザーは合計約47万7,000人。

ユーザーは個人の一般購読者だけではない。待合室を持つ事業体(美容室、調剤薬局、携帯電話量販店、自動車ディーラー、メガネチェーンなど)や、支店数が多い金融機関・事業法人、病院、図書館、官公庁など、雑誌を大量購入する法人向けサービスも展開。同社が請求書をまとめて発行することで法人購読者の事務負担軽減を実現している。

日本は他国に比べ書籍・雑誌流通の書店ルートが効率的で、また、出版社の直販となる定期購読は書店の反発が懸念されたこともあり、総販売部数に占める定期購読比率は12―13%程度にとどまっている(フィンランドや米国は80%以上、ドイツ50%、フランス30%、イタリア20%)。ただ、雑誌の返品率が40%に上昇する中、返品リスクがなく、経営安定化につながる定期購読を重視する出版社が増えていくとみられている。

書店数の減少に伴い出版社が購読者を獲得する機会が減少している環境下、購読者と出版社をつなぐ流通プラットフォームを運営する同社は、「マガノミクス(マガジンエコノミクス)3本の矢」で成長を目指す。1本目の矢が「定期購読市場への置き換え」、2本目は「デジタル雑誌の取り扱い強化」、3本目は物販、イベント開催、ファンクラブサービスなど「新たな収益柱育成」。(Q)

概 要
事業内容自社Webサイトを用いた、雑誌の定期購読あっせんサービスの提供
本社東京都渋谷区南平台町 16-11
代表者西野伸一郎
設立2002年7月
上場前資本金1億6,237万2,000円
発行済株式数(上場時)158万4,190株(上場時)
筆頭株主カルチュア・エンタテインメント(上場前27.80%)
公募株式数50,000株
売出株式数129,800株(オーバアロットメント 26,900株)
初値6,000円(2.3倍、7/8)
公開価格2,650円(6/26)
ブックビル仮条件2,500~2,650円 (6/17)
ブックビル期間6月19日~6月25日
引受証券みずほ(主幹事)、大和、SBI、東海東京、岡三、いちよし、岩井コスモ、SMBCフレンド、マネックス、東洋

業績推移
売上高経常利益1株利益配当
2013/12804百万円67百万円42円-円
2014/121,941百万円203百万円82円-円
2015/12(予想)2,393百万円270百万円102円-円

[本紙6月19日付2面]

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