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IPO2015年7月14日

☆新規上場紹介 デクセリアルズ(4980) 7月29日、東証。「ソニーケミカル」が変遷

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光学材料、電子材料、接合材料などの製造・販売を手掛けるデクセリアルズ(4980)が7月29日、東証に新規上場する。「所属部未定」ながら、仮条件価格下限(1,450円)でも時価総額913億5,000万円となるため、東証1部となることは確実な情勢。21日の売り出し価格決定時に発表される。

同社の沿革は、ソニーがプリント基板国産化を目指して1962年3月に設立したソニーケミカルを発端とする(形式上の存続会社は49年6月設立のVGケミカル)。

ソニーケミカルは87年に東証2部上場し、2000年には、ソニーの構造改革によって100%子会社化され、上場廃止となった経緯がある。その後は再び、ソニーが事業ポートフォリオ改革を実施。その一環として、日本政策投資銀行およびユニゾン・キャピタルがアドバイザーを務めるファンドの出資するVGケミカルが、ケミカルプロダクト事業(ソニーケミカル)を買収し、完全子会社化した。この時に、社名を旧「デクセリアルズ」に変更。そして、VGケミカルに吸収合併されて、消滅会社となった。

企業ビジョンとして、「バリュー・マターズ―今までになかったものを、世界の価値になるものを。」を掲げる。独自技術を組み合わせて顧客ニーズに応え、エレクトロニクス分野や、環境・新エネルギー分野などに新しい高機能性材料を提供。そして、新しい価値を創造できる「人」を社内に創ることを使命と位置付けている。社名の由来は、巧みな、機敏という意味の「デクセラス」と材料である「マテリアルズ」を組み合わせたものだ。

主要事業である「光学材料部品」は、光学フィルム、光学樹脂材料、光学ソリューションの3カテゴリー、同じく、「電子材料部品」は、接合関連材料、異方性導電膜、リチウムイオン電池2次保護素子、マイクロデバイスの4カテゴリーに分けられる。

国内事業所は鹿沼、多賀城、なかだ、根上。海外には、欧米のほか、香港、台湾、韓国、シンガポールなどに連結子会社を置く。一ノ瀬隆社長を筆頭とする7人の取締役のうち4人が、会社法に定められた社外取締役。常勤含めた監査役も3人全員社外からの起用となっている。(A)

概 要
事業内容光学材料、電子材料、接合材料等の製造・販売
本社東京都品川区大崎 1-11-2
代表者一ノ瀬隆
設立2012年6月
上場前資本金157億4,700万円
発行済株式数(上場時)6,300万株(上場時)
筆頭株主日本政策投資銀行(上場前58.24%)
公募株式数0株
売出株式数49,363,000株(オーバアロットメント 4,686,000株)
初値1,550円(3.1%安)
公開価格1,600円(7/21)
ブックビル仮条件1,450~1,600円 (7/10)
ブックビル期間7月22日~7月27日
引受証券大和(主幹事)、三菱UFJモルガン・スタンレー、SMBC日興、野村、みずほ、SMBCフレンド

業績推移
売上高経常利益1株利益配当
2014/363,307百万円7,208百万円127.69円-円
2015/365,508百万円9,870百万円170.18円-円
2016/3(予想)75,600百万円11,500百万円111.11円55.0円

[本紙7月15日付2面]

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