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IPO2015年7月16日

☆新規上場紹介 PCIホールディング(3918) 8月4日、マザーズ。システム開発受託とIT技術者派遣

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PCIホールディングス(3918)が8月4日、マザーズに新規上場する。

完全子会社3社を介して、ソフトウエア開発を手掛ける。「テクニカルソリューション」、クラウド環境を活用して顧客企業の業務支援を推進する「ビジネスソリューション」、これら事業で得た知見・実績を融合させた「IoT/IoEソリューション」と3つの事業を展開する。

主力は売上高の9割を占める「テクニカルソリューション」事業。産業機器や家電製品に内蔵して特定の機能を発揮する「エンベデッド(組み込み)システム」に強みを持つ。技術提供は広範にわたるが、近年のメーンは自動車向け。エンジンを制御するECU(電子制御ユニット)や、カーナビなど車載機器に組み込まれるソフトウエアの開発を手掛ける。そのほかでは、同社のエンベデッドシステム参入がNTT向け交換機への対応が始まりだったこともあり、スマートフォンなど各種端末、ルーターなど情報機器向けも。

エンベデッドシステムを手掛ける競合はあるが、各社とも得意領域を持つためバッティングをしない。そもそも製品の心臓部を扱うことから参入障壁が高く、事業の利益率が高いとの特徴もある。同社の場合、上位20社で売上高の6割超を占めるが、彼らのリピート率は100%。ちなみに20社のうち8割超が上場企業とそのグループ会社とのことで、優良顧客が多いことも強み。

昨今は自動車を筆頭にあらゆるモノをインターネットにつなぐ「IoT」領域での事業化に向けて、各社とも総力を挙げて取り組む中、同社への引き合いは非常に多いという。会社側はIoT関連の売上高比率は現在の2%程度から、数年内には30%にまで高まるとみている。

 ただし、現状では人不足のため顧客ニーズに対応しきれず、「今期は7月1日時点で12億円程度の機会損失が発生している」(天野社長)とも。そのため、同社は人材拡充を喫緊の課題としており、今回の上場資金の一部もこれに充てる。

2014年9月末の技術者数はプロパー651人、協力会社89人の計740人だったが、17年9月末までにはプロパーを年40―50人採用して800人に、協力会社からの人材も増やして計1,200人を目指すとしている。同社事業は技術者数に比例して業績が積み上がるため、売上高も6割増して100億円到達するとみられる。(Y)

概 要
事業内容ソフトウエア開発(組み込み系システム・業務系システム)、自社ソリューションの開発・保守およびIT技術者の派遣などの情報サービス
本社江東区南砂 2-1-12
代表者天野豊美
設立2005年4月
上場前資本金3億3,270万円
発行済株式数(上場時)156万5,900株(上場時)
筆頭株主Y&U(上場前12.13%)
公募株式数200,000株
売出株式数160,000株(オーバアロットメント 54,000株)
初値6,820円(2.7倍、5日)
公開価格2,530円(7/24)
ブックビル仮条件2,330~2,530円 (7/14)
ブックビル期間7月16日~7月23日
引受証券みずほ(主幹事)、三菱UFJモルガン・スタンレー、野村、SBI、SMBC日興、岡三、東海東京、岩井コスモ、マネックス、むさし

業績推移
売上高経常利益1株利益配当
2013/96,782百万円36百万円334.41円65円
2014/96,906百万円436百万円354.50円70円
2015/9(予想)7,500百万円500百万円200.34円70円

[本紙7月17日付2面]

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